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東京都

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研究

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他大学, 企業

明治大学

高度医療・福祉のためのハイパフォーマンスバイオマテリアル開発

2020年6月24日

取組概要

高齢者の生活の質が向上し、元気なシニアが増えれば、国全体のGDPを押し上げて社会を活性化することにつながる。本研究の目的は、次世代の医療である再生医療の実現やQOL(Quality of life)向上を指向した生命機能マテリアルの開発の推進である。

「生命機能マテリアル」は、材料自身が細胞や生体に積極的に働きかけて、生体組織の再生や細胞の分化促進、自家骨(患者自身の骨)に匹敵する骨形成能の発現、免疫機能を活発にさせるなどの生命機能を引き出す性質を備えた材料をいうが、発現させる生命機能ごとに、以下の研究を行っている。
① 組織再生を促進する生命機能マテリアルの開発と、独自に開発したアパタイトファイバースキャフォルドを生命機能マテリアルのモデル材料として活用した医学応用(骨再生、軟骨再生、肝再生等)
② 自家骨に匹敵する骨形成能を備えた異方性制御セラミックス、生体骨を模倣したバイオセラミックスの創製、完全吸収置換型ペースト状人工骨、理論計算を活用したテーラード人工骨の開発(次世代人工骨の開発)とその評価
③ 免疫系に積極的に働きかけるバイオマテリアル、銀イオンを担持した抗菌性材料、新しい化学塞栓療法のためのセラミックス微小球の開発とその評価

成果

成果の一例として、多くの細菌に抗菌効果を示し耐性菌を生じさせないと言われている銀イオンを、チタンやプラスチック(PEEK)等の材料上に固定化する技術を確立し、世界で初めて生体内で抗菌性を発現する抗菌性インプラントの創製に成功した。これらの研究の成果は臨床医学や臨床歯学への貢献が期待されるだけでなく、組織再生工学の分野においても先駆的な研究として期待されるなどと評価されている。

高齢者のQOL向上には、多くのアプローチがあるが、その一つが再生医療や高度先進医療を支える学問:「生命医工学」であると考えている。これまでの生命医工学は材料工学・生命科学・医学などの各学問が主体となり、他の学問分野と一定の連携を取りつつ発展してきた。しかしながら、真の意味で生命機能の本質を理解し、QOL向上を果たすには、生命医工学を構築する学問群を「深化」させると同時に、「材料工学・材料化学」⇒「生命科学・生化学」⇒「医学・再生医学」の順に垂直統合的に融合させて生命医工学を「進化」させることが我が国の学術水準の強化に必要と考えている。

※この取組は、提言・事例集『私立大学理工系分野の研究基盤の強化と向上-科学技術イノベーションの推進に向けて-』で紹介した研究事例です。
詳細等は関連リンクをご覧ください。

関連リンク

https://www.shidairen.or.jp/topics_details/id=2822