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宮城県

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研究

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他大学, 企業

東北学院大学

IoT機器を活用した沿岸部地域向け避難支援システムの研究開発と地域実証

2020年7月8日

取組概要

ロボット、ドローン、センサ、携帯端末などの通信機能を備えたIoT機器同士が自律的に連携しながら災害の状況および避難行動要支援者の状況を把握し、さらにSNS、過去の災害アーカイブなどを活用しながら適応的に避難誘導を実現するための避難行動支援システム構築基盤技術の確立と地域実証を目的とした研究開発を行っている。

本研究では、IoT機器群がマルチエージェントとして動作することで、屋内外及び日中・夜間に応じてIoT機器群がそれぞれ収集可能なデータ、SNS、過去の災害情報を統合し、二次災害が発生している(恐れのある)箇所を避けた避難所までの避難誘導経路(プラン)を導出する。そのプランに基づき、屋外では、津波避難標識を搭載した複数のドローンが自律的に飛行しながら沿岸地域の住民や土地勘のない観光客を避難所まで誘導し、屋内では、自走ロボット、携帯端末、可視光通信が利用可能な照明器具などの協調・連携による避難誘導支援と災害情報の提供を行う。さらに、IoT機器群による屋内外の要救助者の発見、避難所への物資配送計画の立案支援、実証実験の結果に基づく防災教育を行うことで、包括的な避難行動支援システムの開発と実証実験の実施を目指している。特に、実証実験フィールドであるいわき市薄磯地区においては、東北学院大学(教養学部・情報科学科)、東北大学(災害科学国際研究所、電気通信研究所)のソフトウェア、ハードウェア、防災の専門家といった様々な専門分野の研究者が、自治体関係者や薄磯復興協議会の方々と定期的に議論・意見交換を行いながら、今後の防災・減災機能の高度化、防災教育活動に関連する研究を進めている。

成果

現在開発中のドローンなどを活用した防災・減災機能の効果を防災訓練の際に導入し、地元消防団、警察官、地域住民の方々にも確認いただき議論する機会、新しい科学技術に興味や関心を持っていただくための試みなども行っており、社会からも実際の災害時に「有用である」といった声が寄せられている。

東日本大震災の津波からの甚大な被害を受けた地域では、人口が減少している地域が多々ある。徐々に復旧・復興工事が完了し、今後のまちづくりとしては、将来の人口増加に向けた安全・安心なまちづくりが課題となる。そこで、IoT機器を活用した平時・緊急時を考慮した人と環境調和型のまちづくりについても取り組みを開始している状況である。


※この取組は、提言・事例集『私立大学理工系分野の研究基盤の強化と向上-科学技術イノベーションの推進に向けて-』で紹介した研究事例です。
詳細等は関連リンクをご覧ください。

関連リンク

https://www.shidairen.or.jp/topics_details/id=2822