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実施地域

東京都

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取組内容

研究

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実施体制

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他大学, 企業

日本大学

生物の脳を電子回路で模倣してロボットに搭載する研究

2020年10月13日

取組概要

従来のロボットは、オペレータによる操縦、もしくは事前に行動パターンをプログラミングして制御している。一方で、生物は脳を用いて常に変化する外界を巧みに認識して、最適な行動を自律的に選択している。生物の脳を模倣することで、従来では難しかった柔軟なロボットの制御ができる可能性があるが、脳の情報処理は未だに明らかにされていない。そこで我々は、電子回路で生物の脳を構成する神経細胞を模倣して、ロボットの制御に応用する研究をおこなっている。ロボットで実現した新たな機能は、脳の理解に繋がる可能性がある。我々が開発したロボットを二つ紹介する。一つ目はミリメートルサイズの昆虫型ロボットであり、電子回路による人工脳を搭載して歩く、世界最小のロボットである。人工脳はコンピュータなどに使用されている集積回路技術を用いて、2.5mm角にサイズダウンをおこなった。ロボットの本体も微細加工技術を用いて、髪の毛の1/100の細かさでパーツを作製している。二つ目はセンチメートルサイズの4足歩行型ロボットである。足の裏に4つの圧力センサをつけて、電子回路で実現した神経細胞の発するパルス波形を圧力が高い場合に遅く、低い場合に早く出力するように設定した。単純な仕組みにも関わらず、足を動かすタイミングのプログラムなしで、馬のように歩行速度によって足を動かす順番が変化する。我々の開発しているロボットは世界的にもユニークである。

成果

ミリメートルサイズの昆虫型ロボットは、実物を見せると小ささに驚きを持たれる。現在社会への応用に向けて、要素技術の特許取得や応用例を準備している状況である。

現在は脊髄神経を模倣して歩行を実現する人工脳を開発しているが、センサからの情報を処理して物体の認識や識別が可能な、中枢神経を模倣した人工脳についても開発を進める予定である。中枢神経と脊髄神経を組み合わせた、電子回路による人工脳の開発は、従来にはないロボットの柔軟な制御の実現に繋がる可能性がある。


※この取組は、提言・事例集『私立大学理工系分野の研究基盤の強化と向上-科学技術イノベーションの推進に向けて-』で紹介した研究事例です。
詳細等は関連リンクをご覧ください。

関連リンク

https://www.shidairen.or.jp/topics_details/id=2822