取組概要
龍谷大学名誉教授 伏木亨氏(食嗜好科学研究室(2015.4~2021.3 龍谷大学農学部教授))と、当時、当該研究室に所属しハウス食品(株)に勤務する樋爪彩子氏は、共同研究(実験名:熟度が異なる山椒エキスの減塩補助効果)において、赤山椒エキスには、味の持続性をもたらし、おいしさや満足度を高める効果があり、減塩に有効であることを明らかにしました。
成果
山椒は、塩味を強める効果があると報告されており、減塩に役立つ香辛料として期待されています。そこで、山椒の熟度に着目し、熟度が異なる青山椒(未熟山椒)と赤山椒(完熟山椒)がどのように減塩時の風味の強度を高めるかを検証し、減塩における有効性を調べました。
その結果、青山椒は先味を強くし、赤山椒は味の持続性を高めること、また、赤山椒は味の強さだけでなくおいしさや満足度も向上させること、更に、赤山椒に特有の効果には、新たな成分が寄与している可能性があるということを明らかにしました。
これらは減塩による食の満足感の減弱を補完する効果につながる画期的な成果であり、この知見を活かした赤山椒エキス使用の製品の発売が予定されるなど、今後の研究の発展がさらに期待されています。