取組概要
2021年7月20日(火)、九州産業大学柿右衛門様式窯で窯出しを行い、芸術学部の学生39人が制作した作品約500点を取り出しました。2000年からはじめた窯出しは、今回で64回目です。
14日(水)の窯入れから丸1日薪を燃やし、1,262度まで達した窯は、6日経ってもまだ余熱が残っており、学生たちは汗だくになりながらも、1点1点を丁寧に取り出し、出来栄えに思わず歓喜する様子も見られました。
成果
芸術学部生活環境デザイン学科3年前田明音さん(九産大付属九州高校)は、「薪をくべる大変さはありますが、電気窯にはない味わいが出る窯焚きが好きです。今年は、昨年苦戦した表面に塗る釉薬ゆうやくの量の調整もうまくいき、満足の仕上がりです」と笑顔で話しました。
指導する髙森誠司教授は、「窯焚きには、冷静さと情熱、そして大きな窯でみんなで協力して作品を作り上げるチームワークが必要です。学生1人1人が責任感と主体性を持って取り組むことで、全体の絆が強まったと感じます」と語りました。
◆九州産業大学柿右衛門様式窯
登り窯と単窯の機能をあわせ持つ薪窯で、2000年10月に設置しました。これは、当時、本学大学院芸術研究科教授だった故・十四代酒井田柿右衛門氏が「芸術を志す若者たちに、伝統工芸の奥深さを直に感じてもらいたい」と、門外不出の柿右衛門窯を踏襲して設計された、日本で唯一のものです。