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東邦大学

コロナ禍の中で出産した女性は心理不安が増大

2022年1月27日

取組概要

 済生会横浜市東部病院らと研究を進め、厚生労働科学研究費補助金障害者政策総合研究事業である「地域特性に対応した精神保健医療サービスにおける早期相談・介入の方法と実施システム開発についての研究」(研究代表者 根本隆洋)において、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行中における産後女性のメンタルヘルスの変化を明らかにしました。

成果

 妊産婦は心理社会的にも大きな変化が生じる時期であることから、不安や抑うつなどが出現しやすく、本研究の結果から、COVID-19流行中はそれ以前と比較してさらに不安が増大していることが明らかになりました。 
 不安の増大は必ずしも精神疾患の罹患を意味するものではなく、コロナ禍関連の種々の要因によるサポート不足などによって、「育児の方法がわからない」など現実的な問題に直面したことによる可能性もあります。これらの不安を解消するためには医療レベルの対応だけでなく、地域での保健や福祉、行政レベルでの対応も検討していく必要があり、まさに地域包括的なケアとサポートが求められるところですが、当事者とその家族にとって、適切な相談機関を見つけることは容易ではありません。そこでMEICISにおいては、地域相談機関検索サイト「MEICISメンタル相談室」ウェブサイトを作成し、産後の女性のセルフチェックと人工知能の自動回答によって、ニーズを絞り込めるシステムの開発も試みています。
 本研究の結果から、コロナ禍に対応した妊産婦ケアの重要性が示され、リモート環境を考慮しWebやICT(情報通信技術)を活用した地域包括ケアシステムの構築と普及啓発が必要であると考えられます。

関連リンク

https://www.toho-u.ac.jp/press/2021_index/20220106-1178.html