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同志社大学

人やロボットが触れながら説明した物を 人はより「かわいい」と感じる ~商品説明でより「かわいい」と感じてもらう動きの設計に貢献~

2022年4月6日

取組概要

人は「かわいい」と感じたとき、笑顔になります。その笑顔が周囲の人に伝わり、「かわいい」という気持ちをもたらすことで、人と人との交流を促します。しかし、コロナ禍ではマスク着用が感染予防に欠かせないため、笑顔を通じて「かわいい」と感じる気持ちを他者に伝えることが難しくなっています。
本研究では、説明者が物に触れながら、その物についての説明をすることで、「かわいい」と感じていることが他者に伝わること、さらにはその他者もその物をより「かわいい」と感じることを明らかにしました。すなわち、マスクが人の笑顔を隠してしまう場合でも、触れることで物に対して「かわいい」と感じている気持ちを他者に強く伝えられることがわかりました。

成果

本研究では、対象に極限まで近づく動作である触れる行為を物に対して行うことで、対象物に対する主観的な「かわいい」という気持ちが表現されること、実験参加者もその対象物により「かわいい」と感じるようになること、さらには実験参加者が説明者をより「かわいい」と感じること、という仮説を立てました。
それら仮説を検証するため、まずロボットが説明者となって対象物(ぬいぐるみ)に触れながら説明することで、実験参加者がその対象物により強く「かわいい」と感じるかを実験で検証しました。実験では、ロボットがぬいぐるみに触れながらそのかわいらしさを説明する場合と、ぬいぐるみに触れずに説明する場合を、対面で観察してもらいました。
実験の結果から、ロボットがぬいぐるみを触れながら説明する場合に、実験参加者がぬいぐるみに対してより強く「かわいい」と感じることが判明しました。また実験参加者が、ロボットがぬいぐるみに対してより「かわいい」と感じている、と見なすことも判明しました。一方で、実験参加者がロボットに対して「かわいい」と感じる度合いは変化が見られませんでした。
ロボットによる実験結果を受けて、説明者がロボットまたは人であった場合の動画を作成し、WEBでの追加実験を行いました。その結果、説明者が人であっても、ロボットの実験結果と同様に、実験参加者がぬいぐるみに対してより強く「かわいい」と感じること、および実験参加者は説明者がぬいぐるみに対してより「かわいい」と感じていると見なすこと、実験参加者が説明者に対して「かわいい」と感じる度合いには変化が見られなかったこと、が判明しました。以上により、ロボットでも人でも、実験参加者は説明者に触れられた対象物により強く「かわいい」と感じることを明らかにしました。
本成果は、マスクによって笑顔が伝わりにくいコロナ禍においても、物に触れることで「かわいい」と感じる気持ちが他者に伝わり、交流を促すきっかけを生み出せることを示唆しています。また、人が物に触れることで「かわいい」と感じる気持ちに変化をもたらしたことは、見た目以外にも「かわいい」と感じる要素が存在することを示唆しています。コロナ禍でロボットも店員として活躍する中で、商品に触れながら説明することで顧客が「かわいい」と感じる気持ちを強くし、より興味を持ってもらえる可能性も期待できます。

関連リンク

https://www.doshisha.ac.jp/news/2022/0325/news-detail-8831.html