取組概要
6月2日(金)に、医学部医学科で協同学習の成果発表会を実施しました。発表会は、1年生の必修科目「協同学習」の一環として毎年実施しています。アクティブラーニングの核となる「協同学習」は、医師に求められるチーム医療に資する人間性(協同の精神)と、科学的探究力およびコミュニケーション能力などを体得し、仲間と切磋琢磨し、共に高め合うことを目的としています。
医学部医学科では全国の医科大学に先駆けて「協同学習」を導入しており、その手法は、日本医学教育評価機構(JACME)からも高く評価されています。テーマは「災害医療」。今年度は人的要因による災害と、自然的要因による災害という、2つの課題があり、それぞれチームを変えて取り組みます。
成果
学生たちは4名程度のグループに分かれ、テーマに沿ってそれぞれの興味を持った角度から調査を進めてきました。当日は、調査結果についてポスターを使って説明し、他のグループの学生や教員からの質問に答えました。人的要因による災害では、韓国で起きた雑踏事故を扱って、事故原因、防止策、対応検証などについて発表したグループが多く見られました。
「人的災害での緊急医療における市民の役割」を発表した稲田壮峰さん(医学科1年)は、「どうしたらわかりやすく伝えられるか、頭の中で何度もデモンストレーションをして発表に挑みました。今回の学習では災害時においては医療従事者だけなく、市民がどのように結束して協力していかなくてはならないのかという知見が得られました。この協同学習で得たものを今後の生活や学習にも活かしていきたい」と話しました。
医療現場では、チームでの協働が求められます。協同学習では、それぞれが自分の持つ知識や技術はもちろん、人とのコミュニケーション能力やリーダーシップについても学ぶことができ、多様な視点やアイデアを持った仲間たちと交流することで、より深い理解やスキルの向上につながると期待されています。