取組概要
「生理の貧困」は日本でも話題になっていますが、異なる文化ではどうなっているのでしょうか?2023年7月13日(木)、ケニアKisii大学のVivian Nyaata先生が、東京女子大学SDGs推進委員会および女性学研究所共催「CHALLENGES IMPEDING WOMEN EMPOWERMENT IN KENYA: MENSTRUAL HYGIENE AND SGBV(FGM AND CHILD MARRIAGE)」で講演してくださいました。ケニアでは、65%の女性は生理用品を購入できず、生理期間中に外出することができないこと、この問題が月経の衛生管理(MHM)に留まらず、女性性器切除(FGM)、児童婚と深く関わり、ケニアの少女と女性の進歩を大きく制限していることをうかがいました。
成果
講演に続いて、コミュニケーション専攻4年の学生らより「女子大生と生理の貧困」プロジェクトの試み、「生理ナプキンの配布」の活動計画が報告されました。Nyaata先生からはプロジェクトへの励ましと共に、ケニアでは同じ方法では解決が難しいことが指摘されました。トイレやごみ処理設備が十分でないケニアでは、生理用品はごみを増やしてしまうことになるのです。また生理についての教育も貧困で、使用方法がわからない人も多いとか。
Nyaata先生たちは、古布を使用して生理用品を作るワークをし、生理についての知識を豊かにしていく試みを行っています。ケニアで伝統的に行われてきた女性性器切除(FGM)は、現在は法律で禁じられ、科学的根拠もないのに、未だに多くの女性が経験してしまっています。現状を変えるためには、社会や法の整備と共に、人々が共有する規範の変化が必要なのです。先生とのコミュニケーションを通して、問題の解決方法も多様であることを、またこの問題を地球規模で考えていかなければならないこと、社会や法と共に、人々のこころへの視点をもっていくことの大切さを学びました。今後の活動につながる機会となりました。