取組概要
学校法人立命館では、教職員による現場での草の根(グラスルーツ)的な取組みを励まし、具体的な実践を支援する制度「R2030 グラスルーツ支援制度採択プロジェクト」を設けています。2023年度に採択された「防災グラスルーツ」では、APUの職員有志にて学生が災害時に自ら命を守る行動を取るための手助けとなるグッズを取り入れ、学生に対する防災教育を行いました。
成果
本プロジェクトは、「日本にはじめて来た国際学生は、災害時に自ら命を守る行動を取ることが出来るのか?」という、職員の問題意識から立ち上がりました。APUには現在109ヵ国・地域からの国際学生が集っており、母国において地震等の経験がない学生も多く在籍しています。そのような学生たちがもしもの時に適切な行動を取れるよう、日常的な防災意識の向上を目指して、プロジェクトが進められました。
検討過程では、地理的環境や周辺地域に着目し、APU独特の災害の可能性や防災行動も意識されました。その結果、地域の既存の防災活動の把握や、周辺の活火山を考慮した防災行動が検討され、防災グッズや教育内容に活かされました。
防災グッズにあたっては、学生たちが防災の観点で身の周りを事前に確認すること、いざというときの防災活動のイメージを持てることを重視して、「かわいい防災」を取り組みテーマに設定し、イラスト中心で見やすく、手に取ってもらいやすいグッズの開発に努めました。出来上がった「防災リーフレット」には、各災害時の防災行動や持ち物チェックリストが、イラストとともに簡潔に書かれています。また、いつも携帯してもらえるよう、財布等に入る小型サイズに設定されました。かわいいデザインで日常的に携帯できる「防災バンダナ」は、怪我等の応急手当に使用できるほか、小さい子供がぐずった時に双六としても遊べるなど、複数の用途に活用できるようになっています。
プロジェクトの最後には、「新入生オリエンテーション」にて防災行動に関するガイダンスを実施するとともに、「防災バンダナ」と「防災リーフレット」を約1,200名へ配布しました。