取組概要
2024年7月27日(土)、芸術学部ソーシャルデザイン学科井上友子教授の授業「デザイン企画演習 」を受講する学生9名が、公益財団法人アクロス福岡主催の里親家庭30組を対象としたイベント「アクロス・こども文化芸術体験2024」内で体験型ワークショップを実施しました。
同学科では、社会や地域の課題に焦点を当て、デザインの力によって解決に取り組む活動を行っています。
成果
同イベントは、里親家庭の子どもたちが文化芸術に触れ、主体的に興味のある事柄を見つけ、夢中になることで自分らしくいられる機会の創出と里親同士や支援機関がつながり、憩いのひとときを過ごすことを目的としています。学生たちは、「よりそっと族を作ろう!」と題して、フェルトや毛糸を使用し、自分だけのぬいぐるみの相棒を作るワークショップを実施。コンセプトを伝える動画や制作手順を分かりやすくまとめた説明書も準備しました。ぬいぐるみができた子どもには相棒と撮影した写真もプレゼントし、子どもたちは、ぬいぐるみと写真を大事そうに受け取り、満足した様子でした。
現在、日本全体の里親委託率が約20%に留まる一方で、福岡市の里親委託率は市民と行政の協働で進める社会的養育の推進により59.57%(2023年3月現在)と全国1位です。
デザインが持つ力で里親家庭のために何ができるのかをテーマに、イベント開催に向けて学生たちは、今年度の全14回の講義を通して体験型ワークショップを企画しました。先立って、特定非営利活動法人SOS子どもの村JAPANとともに、里親家庭問題の現状調査や情報交換を行った学生たちは今回のワークショップを企画しました。
同学科3年の宇美希美さん(熊本県ルーテル学院高校)は「実施までは、子どもたちが楽しんでくれるのか、不安に思っていましたが、ぬいぐるみという、愛着の湧く題材を用いたことで、想像以上に楽しんでくれました。今回のワークショップ企画は、少し難しいリクエストでしたが、学生みんなで知識やアイデアを共有して進めることができました」と感想を述べました。