取組概要
7月15日(月)、APUの学生団体に向けた支援制度プロジェクトBとして活動している「フードパントリー彩鳥(いろどり)」が、フードバンクや企業から寄贈された食品を無償で配布するイベント「フードパントリー」を、キャンパスで開催しました。団体は、多くの人が日本の食品ロス問題を考えるきっかけとなること、必要としている人に食品を届けることを目指して活動しており、フードパントリーに参加する学生は、食品を受け取る事前に、団体の活動目的を理解してアンケートに回答する必要があります。当日は多くの学生が活動の意義に賛同したうえで、廃棄予定だった食品を受け取ることを通して食品ロスに貢献していました。
成果
フードパントリー彩鳥は2023年11月にプロジェクトBに採択されて以来、APUで6回、亀川地区で3回のフードパントリーを実施し、多くの学生や地域の方々に食品ロス問題への理解を促してきました。また、6月には団体初の試みとして「防災備蓄食品4トン配布プロジェクト」を開催し、賞味期限が迫った防災備蓄食品3200セット(4トン)を載せたトラックを受け入れ、亀川地区に配布するとともに、別府市社会福祉協議会を通して福祉施設等へ寄贈しました。団体は年間3トンの食品の配布を目指していましたが、8カ月間で既に5.6トンの配布を行いました。
団体は、食品提供元の開拓や食品の発注、運搬の手配、倉庫や開催場所の確保など、フードパントリーの実施に関わる全てを自分たちで手配しています。実施にあたっては、「食品の管理を徹底すること」、「商品の検品を徹底すること」、「トレーサビリティを重視すること」を一貫して行い、食品の提供元と参加者双方に配慮した安全な運営に努めています。
団体を立ち上げた小溝柊汰さん(サステイナビリティ観光学部2回生、日本)は、高校生の頃から食品ロスに関心を持ち、フードパントリー活動に取り組んできました。入学時点では団体の立ち上げは考えていなかったものの、活発に活動する周囲の学生に刺激を受け、興味のある同志を募ってプロジェクトBに応募しました。小溝さんは活動を通して、学生や地域の方に少しでも食品ロス問題に関心を持ってほしい、同じような活動をする若者が増えてほしいと考えています。最初は7名で活動していた団体のメンバーは今では16名に増え、参加を志願する声も多くかかるようになりました。
フードパントリーは、フードバンクや企業から無償で寄贈された食品を無償で配布する活動ですが、運営団体には時間的、肉体的負担が大きくかかります。しかし小溝さんは、「フードパントリーで食品を手渡し、参加者の笑顔を見られた時は、苦労が報われる瞬間」と、社会と人に貢献することを活動の糧と捉えています。「自分の手で食ロスを実際に削減できている手応えを周りにも感じてほしい。この活動で一番嬉しいのは、人と出会えること、人の想いを聴けること、共感し合えることです。」と活動の醍醐味を語りました。
今後団体は、亀川に常設のフードパントリーを作ることや、地域の福祉とつながり、必要としている人に食品を届けることを目指して、活動を続けます。