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実施地域

東京都

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取組内容

教育研究

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実施体制

学部・学科

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連携状況

連携なし

上智大学

インクルーシブ教育の実現に向けた英語教師のトレーニングニーズを特定

2024年9月5日

取組概要

・ インクルーシブな教育はあらゆる分野で求められており、英語教育も例外ではないが、そのためのトレーニング手法は確立しておらず、状況や環境に依存的。
・ インクルーシブな英語教育のためのトレーニングのニーズを把握するための新たな尺度を開発。
・ それぞれの文脈に応じてどのようなインクルーシブトレーニングが必要かを判断する指針として役立つと期待。

成果

 上智大学外国語学部英語学科のDavey Young講師は、インクルーシブな英語教育のためのトレーニングのニーズを把握するための新たな尺度を開発し、その尺度を用いて日本の中等後教育レベルの英語教師を対象に調査を行ないました。その結果、多くの英語教師が、障害のある生徒を教える準備は不十分であると感じており、そのような生徒の識別や、具体的な考慮事項に的を絞ったトレーニングが有益であることが示唆されました。

 インクルーシブ教育を実現させるためには、さまざまな支援を必要とする生徒を教えるスキルを持つ教師が求められています。英語を母語としない学習者へ向けた英語教授法(TESOL; Teaching English to Speakers of Other Languages)の分野においても、インクルーシブな教育を実現するための教師トレーニングがますます重要になってきています。しかし英語教師は一般的に、障害のある生徒を教えるためのトレーニングを受けておらず、そのための具体的なトレーニングのニーズを特定するための研究も、ほとんど行われていません。

 本研究では、日本の中等後教育レベルの生徒に英語を教える教師の具体的なトレーニングニーズを明らかにするために、新しい尺度Inclusive Practices in English Language Teaching Observation Scale (IPELT) を開発し、インタビューと組み合わせて調査を行いました。その結果、障害のある可能性のある生徒の識別や、障害のある生徒を教える際の合理的配慮および具体的な考慮事項についてのトレーニングが必要である可能性が示唆されました。また、多くの英語教師がインクルーシブな学習環境を作るための基礎的なスキルをすでに持っている可能性が高いという、前向きな調査結果も得られました。これは、英語教師がより多様な生徒のニーズに対応するためトレーニングを受けることが、インクルーシブ教育の実現に大きく貢献することを示唆する結果です。

 この研究のために作成された尺度は、他の状況にも応用することができます。そのため、それぞれの文脈に応じてどのようなインクルーシブトレーニングが必要かを判断する指針として役立つと期待されます。

関連リンク

https://www.sophia.ac.jp/jpn/article/news/release/240828/