取組概要
防災についてネットワーク情報学部で取り組んできた成果などを発表する「防災DXデイ」が10月12日、生田キャンパスで開催された。学生のほか、地元の避難所運営に関わる住民ら87人が参加。地域の避難地図のデジタル化や防災食などについて地域住民と学生で情報を共有し意見を交わした。
成果
ネットワーク情報学部では本年度、新たな教育研究プログラム「ラボ」をスタート。今回の防災DXデイでは、ラボでの活動の成果を中心に、学生や地域団体のさまざまな活動が報告された。
このうち佐藤慶一教授担当の「まちづくりDXラボ」は「逃げ地図デジタル化」について公表した。逃げ地図は、避難所までのルートを時間ごとに色分けして避難完了までにかかる時間を可視化する地図。ラボでは川崎市全域の逃げ地図をデジタルで作成、多摩区での計算結果を示した。参加者有志で、ハザードマップと逃げ地図を重ね合わせた地図を見ながら、地域で連携した活動アイディアを話し合う機会も設けられた。また、同ラボ災害食研究チームは、自分たちで考案した災害時のメニューや栄養価の計算結果を紹介した。
無人コンビニラボを担当する石井健太郎教授はNFC(近距離無線通信)カードを用いた参加者情報管理システムについて、当日参加者を対象に実証実験を行った。カードをかざすと氏名や入退場時間が記録されるシステムで、石井教授は避難所での活用なども想定していると説明した。
このほか、SIV(専修生田ボランティア)が地域での朝清掃や災害ボランティアの活動を紹介。生田キャンパス近くの複合スポーツ施設Ankerフロンタウン生田はポールウォーキング体験会を開催した。
イベントの前半は、高知県立大学の島田郁子准教授が災害時の食事について講演。「避難生活を少しでも元気に過ごすために▽水分▽食事をしっかりとる▽衛生的に食べる▽体を動かすことが大事。備蓄食料には食べなれたもの、好きなものを取り入れて。災害発生前のこそ備えをしっかり」と語った。
佐藤教授らは本年度、川崎市多摩区の大学・地域連携事業で「デジタル技術を活用した防災まちづくり手法の開発」をテーマに活動している。