取組概要
・ [世界の目、日本の目で見る犯罪学]欧米諸国では「犯罪学部」として学問分野が確立されている領域を、世界で最も安心・安全とされる日本社会の中で独自に捉え直す試みです。
・ [矯正・保護に関する龍谷大学の研究がベース]本学では建学の精神を具現化する事業として、「矯正・保護」に関する研究・教育・社会貢献を総合的に展開してきた40年余りの歴史があります。
・ [英語で学ぶ「龍谷・犯罪学」]今回のトライアル授業は全て英語で実施。学会など国際的な場面で発信の機会を増やしたい院生や若手研究者、日本の社会制度に関して学びを深めたい留学生などを対象とします。
龍谷大学 犯罪学研究センターは、2016年6月に発足し、同年11月に文部科学省「私立大学研究ブランディング事業」に採択されました。5年間の事業期間にわたり、センターの取組みを通し、犯罪予防と対人支援を基軸とする「龍谷・犯罪学」を構築し、日本国内だけでなく、広く世界にアピールしていくことを目標に掲げています。このたび、現在までの研究成果を踏まえて英語でのトライアル授業を10月13日(土)より8日程(全15コマ)にわたって実施します。
本学の研究や教育活動をベースとした今回のトライアル授業は、新たなグローバル・スタンダードとしての「龍谷・犯罪学」を目指して、全回英語で実施します。
【「龍谷・犯罪学」トライアル授業】
1. 期間:2018年10月13日(土)~2019年1月26日(土)
2. 時間:13:45~16:30(2コマ連続) ※最終日の1月26日のみ13:15-14:45(1コマ)
3. 場所:龍谷大学 深草学舎 至心館1F
4. 申込:HPからの事前申込制(参加無料。単発での受講や一般の方の受講も可能)
http://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-2316.html
5.用語解説
1)犯罪学研究センター
「犯罪学」(英:Criminology)とは、犯罪にかかわる事項を科学的に解明し、犯罪対策に資することを目的とする学問です。実証的な犯罪学研究は19世紀後半のヨーロッパで始まり、現在、欧米諸国の総合大学では「犯罪学部」として学問・研究分野が確立されています。統計的にも世界の中で最も犯罪の認知件数が少なく、安心・安全とされる日本社会における犯罪をとりまく司法制度や刑事政策は、世界からも注目を集めています。そこで、当センターでは、犯罪現象を人間科学、社会科学、自然科学の観点から明らかにし、対人支援に基づく合理的な犯罪対策を構築しようと考えています。
2)私立大学研究ブランディング事業
文部科学省の「私立大学研究ブランディング事業」は、学長のリーダーシップの下に、特色ある研究に全学的に取り組む私立大学等を重点的に支援するものです。支援対象はタイプA【社会展開型】、タイプB【世界展開型】の2種類があり、本学はタイプB【世界展開型】に申請し、2016年11月に採択されました。(事業期間:5年間)
3)矯正・保護総合センター
本学では「犯罪学研究センター」の設立以前より、犯罪者や非行少年の更生を目的とした処遇である「矯正・保護」に関する研究・教育・社会貢献を総合的に展開してきました。戦前からの長い歴史と伝統を持つ浄土真宗本願寺派の宗教教誨を基盤としながら、日本で唯一の刑事政策に特化した教育プログラムとして、1977年に法学部が中心となって特別研修講座「矯正課程」(現在の「矯正・保護課程」)を開設。現在もその多くの科目を全学に提供し、のべ2万4千人以上が同課程の科目を受講してきた実績があります。受講者の中からは警察官や刑務官、法務教官、保護観察官などの公務員はもちろん、関連する民間施設の職員、保護司や教誨師等のボランティアなど、多くの人材が育っています。