ヨード担持活性炭の抗鳥インフルエンザ作用に関する研究成果について京都産業大学と株式会社化研が特許を共同出願

2018.03.02

京都産業大学(京都市北区・学長 大城光正)と株式会社化研(茨城県水戸市・代表取締役会長 蓼沼克嘉)は、株式会社化研が開発した抗菌作用を有する素材「ヨード担持活性炭(たんじかっせいたん)」の抗鳥インフルエンザウイルス作用に関する共同研究を行ってきました。その研究成果により、「ヨード担持活性炭」が有力な新しい抗鳥インフルエンザウイルス消毒剤として活用することが期待されることが判明したため、このことについて2月26日に特許を共同出願いたしました。

【共同研究テーマ】

ヨード担持活性炭の抗鳥インフルエンザウイルス作用に関する共同研究

【特許出願内容】

(出願日 2018年2月26日)
「抗菌・抗ウイルス剤及び感染症対策方法」(出願人 学校法人京都産業大学・株式会社化研)

【共同研究経緯・内容】

2016年11月から水戸市郊外の湖沼でおびただしい数の越冬中渡り鳥が鳥インフルエンザに罹患して死亡したため、鳥インフルエンザウイルスに汚染した湖沼水の浄化等抜本的な防疫対策の必要性が生じたことを背景に、2017年3月1日、株式会社化研より、抗菌作用が認められている素材(ヨード担持活性炭)の鳥インフルエンザ防疫の有効性について確認する提案が行われ、2017年8月から共同研究を開始した。
具体的な内容としては、株式会社化研が開発した抗菌作用を有する素材(ヨード担持活性炭)について、京都産業大学鳥インフルエンザ研究センターでその抗鳥インフルエンザウイルス効果について種々検討を加えた。
その結果、室温で10分間本素材を107.5EID50/0.2ml濃度の鳥インフルエンザウイルスA/コハクチョウ/島根/499 (H5N3)株を含むウイルス液と接触させただけで、生残ウイルス量は102.5EID50/0.2 ml、すなわち10万分の1にまで減少した。本素材の強力な抗鳥インフルエンザウイルス作用が認められた。
さらに、抗鳥インフルエンザウイルス効果の持続性を確認するために、水に濡らした状態で28日間放置したが、強力な抗鳥インフルエンザウイルス効果に変化は生じなかった。一方、対照として現在汎用されている消石灰についても同様に実験を実施したが、5日間以上の放置で、抗鳥インフルエンザウイルス作用は著しく減弱した。
以上より、株式会社化研の開発したヨード担持活性炭は、有力な新しい抗鳥インフルエンザウイルス消毒剤として活用することが期待されることが判明した。今後、食品衛生上問題の大きいサルモネラ菌、カンピロバクター菌等に対する効果を含めた幅広い共同研究を実施する予定である。

【詳細】

別紙をご参照ください。

リリース日:2018-03-02


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