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実施地域

奈良県

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取組内容

地方創生・地域活性教育

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連携状況

企業

天理大学

学生と地元商店の産学連携商品「麩ろったん」誕生。販売開始。

2019年12月2日

取組概要

天理大学と天理市は、2014年に締結された包括連携協定のもと、地域文化や産業の振興に向けた積極的な連携協力を盛んにおこなっています。そのなか、本学の人間学部人間関係学科生涯教育専攻の学生たちが、地元・天理の事業者と産学連携によるユニークな商品、「麩ろったん」を誕生させました。

「麩ろったん」は、お麩でできた珍しいスナックです。ふわりと“浮かぶ” という意味のフランス語、“flottant”=フロッタンから名付けられた商品は、2018年に開講された授業から生まれました。
地元・天理の事業者の協力を得て、天理の新名物を考案しようという授業のなかで、天理の事業者から、“ワインに合う麩のスナックを開発したい”という提案を受けました。
ワインに親しむ経験が少ない学生のアドバイザーとして、在仏25 年の経験を持つ学長が“ワインに合う”味について、サジェスチョンする特別プロジェクトに発展。授業の枠を超えた開発が始まりました。
「ワインに合うのは濃いめの味付け。」学長からサジェスチョンを受けた学生たちは、ワインに合う定番のチーズにブラックペッパーを加えた「チーズ×ブラックペッパー」を提案。また、担当教員の「地元野菜を使用しては?」との提案から、奈良県宇陀産の金ごぼうの粉末を練り込んだ「金ごぼう×スモーク塩」も生まれました。さらに、「三つセットで販売してはどうか」との声に、「セット販売にするなら、一つは甘いものが有った方が喜ばれるのでは?」というディスカッションを経て、「こがしバター×アールグレイ×くるみ」も生まれました。

こうして、 “ワインに合う麩のスナック”をテーマに掲げた商品は、学生、地元事業者、学長の3者で試作品の製造と試食、意見交換を繰り返しながら、約1年の年月を経てついに完成しました。

成果

発売日当日、天理大学の幟を掲げた特設販売のブースでは販売に加えて試食会も行われ、「学生さんの新しい発想が活かされる素晴らしい企画。これからも頑張って欲しい」「こがしバターのほんのりした甘みやブラックペッパーのアクセントがおいしい。もっともっと地域のなかに入り込んで学んでほしい」といった好評の声をいただきました。

度重なる試作を通じ、企画を商品に昇華させた地元事業者は、販売初日を迎えた喜びを次のように語りました。
「学生や学長の意見をいただきながら完成させた商品を、今日のように購入していただけることがとても嬉しいです。丁寧に手焼きしたお麩の優しく繊細な魅力を多くの人に知っていただき、末永く愛される商品になってほしいと思っています」

自分たちのアイデアが形となった学生次のように語りました。
「授業を通じ地域に貢献できることに喜びを感じます。試食で“これは本当にお麩?”と驚く地域の方を見て、狙いを形にできたと実感しました」
「他の自治体でも、大学と地元のコラボでこんなことができるんだ!と感じてもらえるようなきっかけになれば嬉しいです」
「学びが商品として形になり本当に嬉しい。1年生から専攻で学んできたことすべてに意味があったんだと実感しています」

監修にあたった学長は、校舎を飛び出して学ぶ姿の重要性をこう説きます。
「大学の勉強はもはや机上にはとどまらず、学生たちの新しい発想を地域に反映していくことが、これからの社会ではますます重要になります。今回のようなプロジェクトを通じ、大学が街全体に溶け込み、地域の皆様に“おらが街の大学”と思っていただけるような、“塀のない学び”のモデルケースを本学が示していければと考えています」

地元の名産物を使い、地域を元気にしたい——。
学生と教員と地域、それぞれのひたむきな想いの詰まった「麩ろったん」の優しく、印象的な味わいを、ぜひ一度お試しください。

関連リンク

https://tenri-u.jp/ent/coop/post/5604/