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創薬化学

立教大学

「触媒的不斉ヨードエステル化」世界初成功!-千葉から世界へ、機能性ヨウ素化合物創出の基盤に-

2020年5月22日

取組概要

千葉大学大学院理学研究院 荒井孝義教授(ソフト分子活性化研究センター長、千葉ヨウ素資源イノベーションセンター長)、立教大学理学部 山中正浩教授らの研究グループは、独自の触媒反応制御技術と化学反応の理論計算研究を組み合わせることにより、単純なアルケン基質とカルボン酸から、触媒的不斉ヨードエステル体を合成することに世界で初めて成功しました。

カルボン酸とアルコールから得られるエステル化合物は、化成品や医薬品の製造など、工業的に広く用いられる重要な化合物です。中でも、ヨウ素を用いたエステル化合物の合成反応のひとつである「触媒的不斉ヨードエステル化」は、広く活用されているヨードラクトン化に比べ安価で市販されている素材で実施できることから、産業プロセスを簡略化するといった非常に高い工業的価値をもつことが明らかでした。しかし、触媒的不斉ヨードエステル化を実現するためには、分子内反応によるヨードラクトン化とは異なり、異なる分子間での反応を進行させるために立体選択性といった高度な分子構造認識とその緻密な制御が不可欠であった為、これまで誰も実現できていませんでした。

成果

研究グループは、荒井教授がこれまで独自に開発を進めてきた世界最高精度の立体選択性をもつ触媒技術を基盤としたヨードラクトン化反応をもとに、ヨードエステル化の実現を試みました。しかし、単純な実験設計では、求める反応を成功させることができなかったため、立教大学の研究グループの理論計算研究を組み合わせ、化学反応の遷移状態モデルを参考に、配位子、亜鉛カルボン酸塩、ヨウ素化試薬、反応条件の精査をすすめました。

その結果、「触媒的不斉ヨードエステル化」によって得られる光学活性ヨードエステルを原料として、ユニークな変換反応開発にも成功しました。これにより安価で入手容易な素材から高機能な化合物の生成が可能となります。さらにはこの化学合成手法を医薬品に応用することで、医薬品の多機能化にも貢献すると期待されます。

関連リンク

https://www.rikkyo.ac.jp/news/2020/05/mknpps0000017gy4.html