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静岡県

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研究

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東海大学

深海魚の出現は地震の前兆? ―学術的に「迷信」と断定―

2020年8月12日

取組概要

地震前兆に関する「言い伝え」が防災に役立つ情報になるかを検証する。

「深海魚が海面付近に出現すると大地震が起こる」「クジラが集団で海岸に座礁したのは大地震の前兆」など、地震大国・日本で語り継がれてきた不確かな情報について、海洋生物と地震発生の因果関係を証明することで地震予知の研究発展につなげることを目指すと同時に、いかに地域住民の減災に生かすかという視点から検証した。駿河湾に面した本学清水キャンパスの特色を生かした研究である。

成果

「深海魚が現れると地震が起きる」といった日本に残る言い伝えを科学的に検証。出現が地震の前兆と言われる「リュウグウノツカイ」や「サケガシラ」など8種類の深海魚を対象に、資料が残る1928年から東日本大震災が起きた2011年まで、日本全国で出現した事例を文献や新聞記事などから調査した。出現場所の半径100km圏内が震源となったマグニチュード6.0以上の地震が30日以内に起きているかを調べたところ、336件の出現情報に対して条件に該当する地震は2007年の新潟県中越沖地震1件のみであった。また、深海魚出現は冬から春にかけて多い一方、地震発生は季節を問わないことなども明らかにし、これらの事実から「迷信」であると結論づけた。論文発表後には海外からも問い合わせがあった。インドネシアではリュウグウノツカイが獲れた際に地震発生のうわさが広まったとのことであるが、当局が本論文を根拠に火消しをした。

過去に中高生と理系大学生を対象に「大地震の前兆とされているさまざまな説をどれほど信用しているか」についてアンケートしたところ、「動物の異常行動」を信じる割合はいずれも8割を超えていた。科学的根拠のない情報が広く信じられているとデマの温床にもなりかねない。一般的に深海魚以外の動物においても伝承として信じられている異常行動は多く存在することから今後も科学的な検証を続けていく。また、地殻変動や地球を包む電離層などに関する観測技術の進化により、地震予知研究は年々精度が上がっている。しかし、予知で地震を防ぐことはできないことから「社会にあふれる情報を取捨選択するリテラシーを身につけ、日ごろから防災対策を心がけることが第一」という視点で、各地での啓発活動に取り組んでいく。さらに、海洋研究所では地震防災啓発のために自分たちの足元で何が起きているかを伝える「地下天気図プロジェクト」も実施している。


※この取組は、提言・事例集『私立大学理工系分野の研究基盤の強化と向上-科学技術イノベーションの推進に向けて-』で紹介した研究事例です。
詳細等は関連リンクをご覧ください。

関連リンク

https://www.shidairen.or.jp/topics_details/id=2822
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