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東京都

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取組内容

研究

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企業

明治大学

ディジタルエステ ―対話型進化計算による顔画像美観化システムー

2020年10月9日

取組概要

個々の人が、自分の顔画像を自分の理想通りに美観化する画像処理を実現する。この美観化は、本人の顔立ちを変えずに、自然な感じで行われる。これにより、パソコンやスマートフォンに表示する自分の顔画像を理想的なものにすることができる。また、化粧品を購入する際に自分の希望を販売員に効果的に伝えたり、販売員も、顧客にお勧めの化粧法を効果的に提示することができる。

これは、画像処理と機械学習を美容に応用した研究である。人の好みや感性を考慮した画像処理により、皺、しみ、毛穴のような肌の不要成分を除去し、色味を調整して顔画像を美観化します。一般的な画像処理を適用すると顔全体がボケた感じになるが、画像信号の大きさと変化の細かさを共に考慮した非線形画像処理により、顔のパーツなどの輪郭を鮮明に保ったまま、皺、しみ、毛穴などの成分を除去でる。さらに各成分の大きさや形を考慮して、皺、しみ、毛穴を別々に抽出し、それらを独立に除去する方式を開発した。これにより、成分毎に除去の度合いを変えることができる。しかし、顔は人によって異なり、どの成分をどの程度除去したらよいかは顔によって異なる。また、皺、しみ、毛穴が少しくらい残っていても自然な方が良いと思う人がいたり、これらを完璧に除去したいと思う人がいたりして、好みが人により異なる。顔の色味の設定に関しても同様である。そこで、遺伝的アルゴリズムという生物の進化に基づく方法を取り入れ、対話的にこのシステムを操作することで、利用者各人が望ましいと思う顔画像美観化を行うシステムを実現した

成果

この対話型進化計算による顔画像美観化手法は、(株)コーセーとパナソニック(株)が銀座で実証実験を行っている体験型コンセプトストア「Maison KOSÉ(メゾンコーセー)」の理想顔システムで用いられている。また、皺などを除去する非線形画像処理はプリントシール機に導入されている。

我が国は高齢者社会になってきたが、高齢者は化粧をすることで、生活が活性化すると言われている。この画像処理システムにより高齢者一人一人の理想の化粧顔を提示することができ、高齢者の生活に潤いと活気を与えることができる。


※この取組は、提言・事例集『私立大学理工系分野の研究基盤の強化と向上-科学技術イノベーションの推進に向けて-』で紹介した研究事例です。
詳細等は関連リンクをご覧ください。

関連リンク

https://www.shidairen.or.jp/topics_details/id=2822