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東京都

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研究

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他大学

早稲田大学

江戸の庶民は何を食べていた? 歯石DNAから当時の食物を復元

2020年3月17日

取組概要

早稲田大学理工学術院の服部正平教授、琉球大学、新潟医療福祉大学、理化学研究所、東京大学らの研究チームは、江戸時代の古人骨に付着する歯石からDNAを抽出・解析することで、当時の食物や生活習慣を個人レベルで明らかにしました。

歯石(歯垢が石灰化したもの)には口内細菌だけでなく、食べかすなども含まれますることから、歯石にDNAメタバーコーディング法(注1)を初めて適用し、江戸時代の食性・文化を歯石から直接的に復元できることを示しました。

成果

過去のヒトの食物を知る分析手法として、様々な手法が現在までに開発されていますが、多くの手法で容易に克服できない問題となっているのは、食べられていた動物・植物の属・種レベルの同定が困難であるということです。

動物では骨などの硬組織が遺跡からよく発掘されますが、葉・茎・根などの柔組織のみからなる植物は、土壌中で分解されやすいため、形を保ったまま発見されることは滅多にありません(注2)。このように、過去の食物の実態を品目レベルで復元するためには、新たな手法の開発・応用が必要でした。

この手法を先史時代など様々な遺跡の資料に適用することで、過去の食性・文化の新たな側面を明らかにできると期待されます。


注1 DNAメタバーコーディング法
生物種の特定のDNA領域をバーコードのように種の識別に用いることによって、資料に含まれる複数の生物種を一挙に同定する手法。

注2 低湿地にある遺跡では有機物が分解されにくく、古い時代の植物の柔組織が残っていることがあります。

関連リンク

https://www.waseda.jp/top/news/68398