取組概要
新型コロナウイルスの影響により、コミュニケーションスタイルが対面からオンラインへ大きく変化する中、生体工学を専門とする理工学部岡田志麻准教授らのグループは、相手のリアクションから心の距離を測る「心の距離メーター」を開発しました。
成果
本システムは、コミュニケ―ション相手のリアクションに現れる自律神経系の働きなどの生体データ、実際に行う行動、発言などのテキストデータから心の距離を点数化するものです。AIでデータを集めて自動的にモデルを構築するだけでなく、人間の知恵や、これまでの心理学の研究で得られた知見も反映して心理学的な意味づけを行いながらモデルを構築することが特徴であり、それらを積み重ねることにより正確な心理モデルを構築し、点数化を図ります。製品化の際は、さまざまな心理状態を測定、何に焦点を当てるかユーザーが独自に選択できるように設計し、各自の人間関係構築やメンタルヘルスの管理に活用する想定です。
同グループは、本システムを単なる感情の可視化ツールにとどまらず、新しいコミュニケーションインフラとして位置付けており、自分の発言に対して相手がどのように受け止めているのかを知り、その感じ方の差を埋めることによって国籍や文化を超えて良好な人間関係を構築することを後押しする有効なツールとして、大きな期待が寄せられています。