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東京都

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研究

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地方自治体・国

順天堂大学

中学・高校生期と高齢期の両方の運動習慣が女性の骨粗鬆症リスクを低減

2022年2月21日

取組概要

順天堂大学大学院医学研究科スポートロジーセンターの大学院生 大塚光、田端宏樹 研究員、田村好史 先任准教授、河盛隆造 特任教授、綿田裕孝 教授らの研究グループは都内在住高齢者1596名を対象とした調査により、中学・高校生期と高齢期の両方の時期に運動習慣がある女性では骨密度が高く、骨粗鬆症のリスクが低いことを明らかにしました。

成果

我が国では、女性の要介護となる原因の多くは転倒・骨折であり、その背景にある骨粗鬆症を予防することは重要な課題です。
先行研究から、骨粗鬆症の予防には運動が有効であり、中学・高校生期の運動習慣は最大骨量(一生の中でのピークに達した時点の骨量)を高めることや、高齢期の運動習慣は骨量減少を抑えることが明らかになっています。そのため、中学・高校生期と高齢期の両方の時期で運動習慣を有することが、より高齢期の骨粗鬆症の予防に繋がる可能性が考えられてきましたが、現在まで明らかとなっていませんでした。
本研究では、東京都文京区在住高齢者のコホート研究“Bunkyo Health Study”に参加した65~84歳の高齢者1596名(男性681名、女性915名)を対象とし質問紙調査を実施しました。中学・高校生期に運動部活動をしていたかどうかで中学・高校生期の運動習慣の有無を、現在運動習慣があるかどうかで高齢期の運動習慣の有無をそれぞれ定義しました。次に、それらの運動習慣の有無の組み合わせで4群に分類し骨密度や骨粗鬆症の有病率を比較しました。その結果、女性の股関節の骨密度は、中学・高校生期および高齢期の運動習慣が両方ある群では、他の3群と比べて有意に高いことを明らかにしました。
本研究では、女性は中学・高校生期の運動と高齢期の両方の時期に運動することにより、骨粗鬆症のリスクを低減する可能性が明らかになりました。我が国の女性においては、現在、中学・高校生期に運動を全く行わない人と、活発に行う人の「2極化」が顕著に進んでおり、その原因として現在の運動部活動などが女性の運動のニーズに必ずしも合っていないことが指摘されています。そのため、競技スポーツでない「ゆるい」スポーツの普及の推進が期待されます。また、今回の調査に参加した高齢者では、カルシウムやビタミンDの摂取量が国の推奨量に達していない人を多く認め、今後栄養摂取の面でも改善が必要と考えられます。
今回の研究により、中学・高校生期だけでなく高齢期の運動も骨に良い影響を与えうることが示唆されましたが、それぞれの時期にどの運動をどれくらい行うことが必要かなど、まだ不明の点が多く残されており、今後さらなる研究を進めていきます。

関連リンク

https://www.juntendo.ac.jp/news/20220125-01.html