取組概要
デザイン工学科・田邉匡生教授らの研究チームは、テラヘルツ波を用いてプラスチックの素材識別と劣化診断が可能な装置を開発しました。
プラスチックは利便性が高いですが、近年では廃プラスチックの海洋汚染など地球規模の問題として取り上げられています。世界的に注目を集めているSDGs(持続可能な開発目標)等の達成に向けては、プラスチック等のマテリアルを高度にリサイクルする技術を開発する必要があります。
本研究では、テラヘルツ波を用いてプラスチックの素材を識別するだけでなく、劣化判断を行い、リサイクル効率の向上や廃プラスチックのリサイクル性を検証しており、本日施行された「プラスチック資源循環法(通称プラスチック新法)」に対応するものです。
成果
本研究では、テラヘルツ周波数帯における誘電率に基づく透過率/反射率の違いから、プラスチック素材毎のプラスチック識別が可能であることと、熱劣化プラスチックのテラヘルツ波を用いる非接触診断の可能性を確認することができました。
今後は、高度な材質選別装置としての開発を進め、プラスチック類のリサイクル率の向上とともに、高品質の再生プラスチックを生産することや、再生プラスチックの品質向上、環境汚染の削減、ならびにリサイクル費用の低減に貢献していきます。