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東京都

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研究

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慶應義塾大学

治療抵抗性多発性骨髄腫細胞が分泌する細胞外小胞によって薬剤感受性株が薬剤耐性を獲得することを発見-長期使用すると薬が効かなくなる仕組みの1つを解明-

2022年5月25日

取組概要

慶應義塾大学(塾長:伊藤 公平/東京都港区)薬学部病態生理学講座の服部豊教授、東京医科大学(学長:林 由起子/東京都新宿区)医学総合研究所分子細胞治療研究部門の落谷孝広教授と山元智史助教(特任)、分子病理学分野の黒田雅彦主任教授、国立がん研究センター病態情報学ユニットの山本雄介の研究グループは、薬剤に耐性となった多発性骨髄腫細胞から分泌される細胞外小胞(Extracellular Vesicles: 以下EV)が薬剤感受性を持つ細胞に取り込まれることで新たに薬剤感受性株に薬剤耐性能を獲得させることを報告しました。

多発性骨髄腫は造血器腫瘍の一つであり、2000年代になり、新規治療薬が次々と承認され、患者さんの予後は大きく改善しました。とくにレナリドミドは多くの患者さんが使用する治療薬ですが、薬剤の長期使用によって生じる治療抵抗性は臨床的問題となっています。これまでわかっていたレナリドミド抵抗性のメカニズムとして、その直接の標的分子であるセレブロンの発現低下や遺伝子変異が報告されていました。

成果

今回、EVを介して、治療抵抗性が耐性細胞から感受性細胞に伝播する新しい薬剤耐性化機構を発見しました。今後、多発性骨髄腫細胞に対するEV分泌阻害剤などの開発が進み、EV分泌抑制による治療抵抗性を予防する新たな多発性骨髄腫治療戦略の開発に繋がるものと期待されます。

この研究成果は、米国血液学会誌「Blood」の姉妹誌である「Blood Advances」(2020年度IF = 6.69)に掲載されました。

関連リンク

https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2022/5/23/28-124020/