取組概要
成城大学の全学共通教育科目「成城学園を知る」は、成城学園関係者や成城の歴史にゆかりのある方々を講師として開講するオムニバス形式の授業で、全15回を通して成城学園、学園のある成城地域の歴史や特色について学ぶ科目です。
受講者は大学生だけでなく、学園の保護者や新任職員も聴講生として参加しています。今期の受講者数は84名。
今年度は初の試みとして、成城学園内を見学する学内フィールドワーク(5月21日、28日)、成城地区を散策する学外フィールドワーク(6月4日、11日)を実施しました。
成果
学園内フィールドワークは国立環境研究所生物多様性領域主任研究員の矢部徹氏を講師に、成城学園の自然環境と、世田谷区の水環境や生息する生物などについての講義を聴講。成城学園がどのような地形の上に成り立っているか、また「せたがや百景」の1つにも選ばれている成城池を中心に、成城学園の自然環境、生物多様性や生態系についての知見を深めました。
続いて、講義で得た地形や自然を、実際に歩いて観察するフィールドワークへ。約2時間かけて学園内を1周しました。日々過ごしている学園ですが、地形や自然に目を向けながらいつもと違った視点で観察しながら散策する貴重な機会となりました。
学外フィールドワークでは成城の街を散策。講師は一般財団法人世田谷トラストまちづくり評議員の中川清史氏をお迎えし、成城6丁目~4丁目を約2時間半かけて散策しました。散策の途中では大谷石を使った生垣や街路の見通しをよくするための「角切り」、雨水を浸透させ地域の湧水を枯れさせない舗装道路、といった成城の街ならではの特徴について解説があり、受講生たちは実際に目で見ることで体感できた様子。
約100年前、成城学園の移転を始まりとして発展した成城の街。中川氏のお話しから、変わらぬ自然や街並みを次の世代にも残していこうとする地域住民の活動についても知ることができ、成城の街の自然と歴史、そして人々の思いも学ぶフィールドワークとなりました。