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がん医療

慶應義塾大学

ヒト大腸の休止期幹細胞を発見-炎症性腸疾患・大腸がんの治療開発に期待-

2022年8月15日

取組概要

慶應義塾大学医学部坂口光洋記念講座(オルガノイド医学)の佐藤俊朗教授、同内科学教室(消化器)の石渡景子特任助教、杉本真也助教、金井隆典教授らの研究グループは、ヒト大腸の増殖を司る幹細胞は、マウスと比較して多くが休止期状態にあることを発見し、炎症からの再生における重要性を初めて解明しました。これまで腸管幹細胞の研究は主にマウスを用いて解明されてきましたが、ヒト大腸で幹細胞がどのような振る舞いをするかは実験モデルがなく不明でした。今回、研究チームは遺伝子編集したヒト大腸細胞をマウスの大腸内に移植し、大腸幹細胞が休止期を経てゆっくり増殖すること、炎症時にも生き延びて、再生過程で増殖することを明らかにしました。また、ヒト大腸の増殖速度が遅い原因としてTGF-βシグナルが関与していることを示しました。

成果

本研究は、ヒト大腸幹細胞が定常時および炎症からの再生時に、それぞれどのように働くのかを初めて明らかにしたものであり、今後、炎症性腸疾患や大腸がんの根治を目指す上で新たな治療開発の足掛かりとなることが期待されます。

この研究成果は、2022年8月10日(米国東部時間)に米科学誌 Gastroenterology のオンライン版に掲載されました。

関連リンク

https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2022/8/12/28-126190/