取組概要
現代経営学部の「マーケティングと消費者行動研究ゼミ」(隈本純教授)では、森林資源の有効利用と地域ブランディングのための幅広な林業、森林サービス業を手掛けるフィノス株式会社と産学連携プロジェクトを実施しています。
12/16(金)、フィノス(株)の和田雄一社長、平野かおるCMO(最高マーケティング責任者)、竹内正樹CTO(最高技術責任者)をお招きし、同ゼミ3年生13名が3つの班に分かれて、事業予定地における新規事業アイデアをプレゼンテーションしました。
隈本ゼミでは今年度よりフィノス(株)と連携し、群馬県嬬恋村の村有地を森林体験交流センターとして再生させる施設計画に参画中。
昨年6月、学生たちは和田社長や平野CMOから森林サービス産業とビジネスの両立についてレクチャーを受け、10月には事業予定地にて現地視察を行いました。
(「隈本ゼミがベンチャー企業と連携し群馬県嬬恋村で新規事業立ち上げを目指す!現地視察報告」https://www.tyg.jp/research/detail.html?id=14261)
成果
同報告会当日は、フィノス(株)経営陣のほか、ゲストのRUFT(株)後藤氏、大学院生、来年度同ゼミに内定している2年生の前で、昨年から行ってきた調査報告とそれを踏まえた新規事業アイデアを発表しました。
最初にプレゼンを行った班は、実地調査や土地の現状分析から「木の伐採・販売以外で利益を上げること」をコンセプトに、土地の特徴を生かした「レストラン」と「公民館」を提案しました。
レストランは嬬恋村の特産品である高原キャベツを使ったメニューで地域活性化を狙う戦略、キャベツの花言葉を取り入れたという店名は”ラップロフィット嬬恋“。
公民館も、嬬恋村周辺住民の年齢層や群馬県内の外国人増加といったリサーチからニーズを探ったアイデアでした。
続いてプレゼンを行った班は、開発予定地に「カフェ」「宿泊所」「アスレチック」のオープンを提案。
情報拡散力のある若者をターゲットにした開放感あふれるカフェや、ツリーハウス型で“秘密基地感”の演出を図る宿泊所など、子どもも大人も楽しめる施設を考えました。
さらに、アスレチック施設はSNSを使ったプロモーションを企画するなど、マーケティング戦略まで考えたアイデアを発表しました。
最後の班は、現状の課題解決を行うことで「“稼げる林業の創造”につなげること」をコンセプトに、2つの案をプレゼン。
1つ目の案は「シニアがアクティブになれる空間」というテーマで、シニアコースとファミリーコースを分けた屋外アスレチックエリア“Tumagotive”と、屋内ゲームセンター“Tumagomusement”を併設し、親子三世代で楽しめる施設を考えました。
2つ目の案は、「自然による癒しと季節ごとの自然の体験」。
リハビリ療養施設やリラクゼーション施設のほか、夏はキャンプ場として活用、冬はイルミネーションを企画するなど、新規顧客の獲得やオフシーズンの可能性に着目した課題解決とビジネスとしての林業をつなぐ事業プランを提案しました。
全班が現状の調査・研究や、4P(Product, Price, Place, Promotion)分析に基づいた具体的なサービス内容、価格設定、販促活動等を提案するビジネスプレゼンテーションを行いました。
プレゼン後には、「近くにコンビニが少ないことなど周辺地域までしっかり調査した提案で、気づきが多くあった」(和田社長)、「施設の名前の付け方やSNSでの拡散の仕方など参考になった」(平野CMO)、「周辺で開催されるイベントも把握されており、参考にしたい」(竹内CTO)とご講評を頂きました。
また、同報告会には植物生態学や環境保全などをご専門とされる東海大学の藤吉正明教授もゲストとしてオンラインで参加。
「マーケティングという観点で森林を考えることが新鮮だった。事業で使用する木の質や香りなどをさらに分析していくと面白いのでは」とアドバイスを頂きました。
藤吉教授が担当するゼミは植物学的観点から本プロジェクトに参画し、今後隈本ゼミとの大学間連携を進める予定です。
フィノス(株)と隈本ゼミは、今回の提案を踏まえた産学連携プロジェクトを来年度も継続して進行していく予定です。