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東京都

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研究

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健康

東京歯科大学

歯磨剤を変えずにう蝕予防効果や薬効を高めることができる歯磨き方法(PTD 法)を開発しました

2023年2月2日

取組概要

東京歯科大学・衛生学講座の佐藤涼一講師、杉原直樹教授は、スウェーデンのイエテボリ大学 Dowen Birkhed名誉教授との共同研究により、歯磨剤の量やフッ化物イオン濃度を変えずにう蝕予防効果や薬効を高めることのできる新たな歯磨き方法(PTD 法)を開発しました。
歯磨剤の化学的清掃効果やフッ化物の作用を高めるためには、歯間部などのハイリスク部位に薬剤がなるべく長時間とどまることが重要となりますが、歯磨剤の希釈による物理的な特性変化やハイリスク部位に送達する方法は、薬用成分や組成と比較してあまり検討されていません。そこで、歯間部を再現したモデル実験系を構築し、希釈による歯磨剤粘度の変化とう蝕ハイリスク部位でのウォッシュアウトの関係を明らかにすることを目的に研究を実施しました。

成果

PTD 法はブラッシング開始前に歯ブラシや指を用いて歯磨剤を低希釈の状態で歯間部に押し込み、その後は普段通りの方法で 2 分間ブラッシングするだけの簡易な方法です。うがいの制限も必要なく手技の難易度も低いため、うがいの回数が多い日本人に受け入れやすく低年齢児や高齢者への適用も可能なトゥースペーストテクニックです。本研究より歯磨剤が濃度 57%(x1.75)以上に希釈された場合、粘度の急激な低下によってハイリスク部位から早期にウォッシュアウトされ、う蝕予防効果が低下する可能性があることが明らかとなりました。また、ブラッシング終了時まで歯磨剤を歯間部にとどめておくためには、最低でも濃度 50%(x2.00)までの希釈に抑える工夫が必要であることが示唆されました。PTD 法を応用した場合、従来法よりも歯磨剤の歯間部送達率が増加し、その後のブラッシング時にもハイリスク部位で高い粘度と濃度を保つことができることを明らかにしました。

関連リンク

https://www.tdc.ac.jp/Portals/0/images/college/information/pdf/kenkyu-seika8.pdf