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東京都

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研究

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医療

慶應義塾大学

新型コロナウイルスワクチン接種後の抗体価推移をシミュレーションするモデルを開発

2023年4月26日

取組概要

慶應義塾大学医学部臨床検査医学教室および衛生学公衆衛生学教室からなる研究チームは、同医学部および同病院教職員を対象とした新型コロナウイルスワクチン接種の効果を調査する臨床研究のデータを基に、ワクチン接種後、徐々に減少していく新型コロナウイルスに対する抗体価を推測する数理モデルを開発しました。

慶應義塾大学病院では2021年3月から4月にかけて医療従事者向けファイザー社製新型コロナウイルスワクチン優先接種を実施しました。研究チームは、この優先接種開始前に研究への協力に同意した673名の医学部および病院教職員に対して、接種前および2回接種後3週、8週、3ヶ月、6ヶ月の時点で、ワクチン接種により上昇するとされる新型コロナウイルス抗体価測定を実施しました。

成果

本研究で得られた経時的な抗体価データを基に、抗体価の減衰をシミュレーションする数理モデルを考案しました。この数理モデルにより、ワクチン2回接種後に測定した1回の抗体価データから、97%の精度で将来の抗体価を予測することができました。さらに国立病院機構三重病院職員および日本透析学会参加施設に通院する透析患者から得られたデータにて検証を行ったところ、それぞれ98.2%、 83.3%と高い予測精度を示しました。

今後、より長期にわたる抗体価の変動を予測可能なモデルへと発展させていく予定です。これにより一度の抗体価測定結果から、将来にわたる抗体価を簡単に予測できるようになると期待され、新型コロナウイルス感染症を含む新興感染症対策に役立つものと考えられます。

本研究に関する論文は2023年3月7日(日本時間)に npj Vaccines 誌に公開されました。

関連リンク

https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2023/4/25/28-137535/