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東京都福岡県

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演習研究

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九州産業大学

国立西洋美術館で博物館浴実証実験を行いました

2024年7月26日

取組概要

地域共創学部地域づくり学科緒方泉特任教授は、博物館の持つ癒しやリフレッシュ効果を血圧や心理測定で数値化し健康促進や疾病予防に活用する「博物館浴〔※1〕」の研究(実証実験)を進めています。

今回、6月24日(月)と7月8日(月)に、国立西洋美術館(東京都)で「博物館浴」の実証実験を行い、「大学生」「会社員」「育休復帰者(女性)」「高齢者」を対象に、展示鑑賞とその前後の生理測定および心理測定を行い、リフレッシュ効果を科学的に分析しました〔※2〕。

館内の2つの展示室に分かれ、それぞれ同じ展示室で2回鑑賞を行いました。1回目は一人で作品を観る『黙々鑑賞』、2回目はお互い気に入った作品の紹介や感想を共有しながら観る『おしゃべり鑑賞』を実施。鑑賞の前後で生理・心理測定を実施し、作品や展示空間、鑑賞方法の違いでリフレッシュ効果にどのような影響が生じるのか検証を行いました。

成果

参加者から「美術作品の鑑賞による気分の変化が数値化され、目に見える形で検証されることはとても興味深かった」や「普段、美術館では静かに一人で鑑賞するが、今日は作品を観ながらお互いの感想をシェアするなど、美術作品の新たな楽しみ方ができた。おしゃべり鑑賞ができる機会が増えるといいと思う」などの感想がありました。

近年、日本では、高齢者の健康寿命をどのように延伸させるかが課題となっているほか、国の調査によると児童生徒の不登校が約 30 万人〔※3〕、若者のひきこもりが約 65 万人〔※4〕に上っています。さらに、労働者の 82.5%〔※5〕が「強い不安、悩み、ストレスを感じる」というデータもあり、健康やメンタルヘルスに関するさまざまな社会課題が深刻化しています。

そのような中、2019年から始まった本研究は、6月24日の実証実験で被験者データが累計で1,000人に達しました。博物館がこれらの社会課題解決にどのように寄与できるのかをテーマに、多様な世代のウェルビーイングを支える場として博物館などの文化施設の新たな価値創造を目指し、今後、緒方教授は「博物館浴」の社会実装に向けて、今回のように被験対象や鑑賞方法などを変え、より多くのデータを医療・福祉関係者と協働しながら、検証していきます。

※1 博物館見学を通して、博物館の持つ癒し効果を人々の健康増進・疾病予防に活用する活動
※2 この様子は、2024年7月13日(土)放送のNHKおはよう日本で紹介されました。
※3 令和4年度文部科学省調査
※4 内閣府:令和5年3月発表
※5 令和4年度厚生労働省調査

関連リンク

https://www.kyusan-u.ac.jp/faculty/chiiki/news/dr_0716/