取組概要
大学院文学研究科のジャーナリズム学専攻開設と東京新聞創刊140周年を記念したシンポジウム「戦争を伝えるということ」が8月20日、神田キャンパスで開催された。作家の浅田次郎さんによる講演、本学の山田健太文学部教授ら4氏によるシンポジウムが行われ、戦争と平和について考えた。
成果
本学は2010年度に文学部に人文・ジャーナリズム学科を設置、19年度にジャーナリズム学科に改組し、情報のスペシャリストを輩出してきた。2025年4月には、大学院文学研究科にジャーナリズム学専攻を新設し、より高度な専門的知識と研究能力を備えた人材の養成に取り組む。また、本学は中日新聞社と24年4月に連携・協定に関する協定を締結しており、中日新聞東京本社が発行する東京新聞の創刊140周年記念と合わせて、今回の企画を共催した。会場には佐々木重人学長はじめ本学関係者のほか、500人超が来場し、講演や討議を熱心に聴いていた。
浅田さんは「戦争と文学」と題して基調講演した。「戦争はあらゆる文化を破壊するが、ただ一つ、戦争文学だけは成立して残る」と話し、「戦争とは何か、世代を超えて考え続けている問題だが、それでもなくならないのが戦争だ。文学を通して、戦争の本質を学んでほしい」と語った。
続くシンポジウムのテーマは「世界から戦争をなくすには」。浅田さん、山田教授に加え、若者の政治参加を促す情報発信を行う一般社団法人NO YOUTH NO JAPANの能條桃子さん、中東地域研究や難民問題を専門とする本学文学部兼任講師の児玉恵美さん(平26文)が登壇した。能條さん、児玉さんが自身の活動や研究を紹介したあと、パネリスト同士が意見を交わした。
最後に山田教授が「戦争を自分ごととしてどこまで考えることができるか、ということが問われている。表現の自由に例外がなく、ジャーナリズムへの信頼がまだ残っている日本のユニークさを自覚し、どう行動していくか。新設される大学院ジャーナリズム学専攻では、賢い市民を育て、日本社会を少しでも変えていくことができればと考えている」とまとめた。
司会は沖縄テレビアナウンサーの小林美沙希さん(平28文)が務めた。