取組概要
健康学部健康マネジメント学科では2月11日に、東京都東村山市にある国立ハンセン病資料館でソーシャルワーク勉強会スタディ・ツアーを実施しました。本勉強会は、社会福祉に関心のある学生を対象に開いているもので、これまでも学生同士の交流会や福祉施設の見学、卒業生の話を聞く会などを行ってきました。今回のスタディ・ツアーは、国や地域社会から長年差別と偏見にさらされてきたハンセン病患者・回復者とその家族の悲惨な歴史と人権回復への歩みについて学ぶことを目的として島崎由宇助教と篠原直樹助教が企画。有志の学生8名と共に現地を訪れました。
成果
資料館では、まずガイダンス映像を視聴するとともに学芸員からハンセン病に関する基礎知識や展示内容についての説明を受けました。続いて、ハンセン病の回復者である語り部の講演映像を通じて生の声に触れました。その後、国立療養所多磨全生園内にある食事処「なごみ」を訪れ、回復者の家族であるスタッフから、学生に向けた熱いメッセージをいただきました。
参加した学生たちは、映像資料や展示室での見学を通して、かつて国策として行われた隔離政策の実態や人権侵害の深刻さを真剣に学んでいました。見学後のわかちあいの時間では、学びの内容を共有し、健康学を学ぶ学生として、改めて「健康な社会のあり方とは何か」「自分自身に何ができるのか」について意見を交わし、深く考える機会となりました。
参加した学生からは、「展示室で見た『同情されるのが最も嫌だ』という当事者の方々の言葉に強く心を打たれました。病気を理由に人を無力だと判断することが最も深刻な人権侵害になり得ることを学びました」「実際に足を運ぶことで、映像だけでは得られない気づきがありました。この経験を、現代社会に存在するさまざまな差別や偏見の問題にも生かしていきたい」といった感想が聞かれました。