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東京都

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他大学, その他

明治大学

シンポジウム「AI 時代において⾳声はどのように保護されるべきか」を開催(情報コミュニケーション学部創設20周年記念事業)

2025年3月3日

取組概要

 情報コミュニケーション学部は2024年12月7日、駿河台キャンパス・リバティホールで、学部創設20周年記念事業の一環として、シンポジウム「AI時代において音声はどのように保護されるべきか」をオンライン形式との併用で開催した。同学部の今村哲也教授が司会進行を務め、明大生のほか一般の方を含む約300人が参加した。シンポジウムは事例報告と討論の2部形式で行われ、AIによる音声生成技術を使ったビジネスの現状と、それによって生じている権利侵害などの法的課題が検討された。

成果

 第1部の個別報告では、協同組合日本俳優連合副理事長で声優の池水通洋氏が、声優の音声が無断でAIによって学習され、歌われたり話されたりしている実態を報告した。「著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用」は著作権侵害に当たらないとする著作権法第30条の4の問題点を指摘し、業界全体で声優の権利を守ることの必要性を訴えた。ピアニストの土屋学氏は、AIによる音楽生成の実演を交えながら、音楽家の機会損失や仕事への影響について解説した。東洋大学教授の安藤和宏氏と今村教授は、AI時代における音声の法的保護について、著作権法や不正競争防止法の観点から論点を整理した。

 第2部の総合討論には、声優の佐々木優子氏(協同組合日本俳優連合常務理事)と牛田裕子氏(2009年情報コミュニケーション学部卒)も参加。AIによる音声生成が実演家の仕事に与える影響や、個人での権利主張の難しさ、契約・報酬の課題などに議論が及んだ。特に、実演家の声を無断で使用し、偽の音声や映像を生成し利用するディープフェイクの問題や、「声」の保護を目的として制定された米国のELVIS法を例とした海外の法規制の動向についても、議論が交わされた。

 法律による音声保護の在り方や、実演家の権利を守るための業界としての取り組みなど、AI時代における音声保護の課題を多角的に検討する有意義なシンポジウムとなった。(情報コミュニケーション学部事務室)

関連リンク

https://meijinow.jp/meidainews/education/113598