取組概要
福岡大学薬学部では、米国の薬学教育や薬局・薬剤師の現状を学びながら、日本の薬剤師・医療人の育成に取り組んでいます。
本取り組みの一環として、2月26日(水)には、サンキュードラッグ代表取締役社長兼CEOである、平野健二氏をお招きして特別講演会を開催しました。平野氏は、一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会副会長も務めており、内閣府規制改革推進会議「医療・介護・感染症対策ワーキング・グループ」のメンバーでもあります。
成果
講演では、「米国における薬局・薬剤師の現状」について、アマゾン薬局の台頭により約3,000のドラッグストアや薬局が撤退を余儀なくされていることや、薬剤師の役割が医療現場で拡大しつつあることをお話しいただきました。
また、保険点数に基づく評価よりも、その地域の医師・看護師・薬剤師が協力しながら、アウトカムベース(※1)での取り組みが進められており、多職種連携・薬剤師の職能拡大に効果を発揮していると報告されました。これらの現状を踏まえ、日本において将来求められる薬剤師像についても、提示していただきました。
特に急性期ケア、予防医療、慢性期管理などアドバンスト・プライマリーケア(※2)の最先端の取り組み事例の紹介については、今後の日本の薬学教育や薬剤師育成に大変参考となりました。参加した本学薬学部の学生、大学院生、教員は熱心に耳を傾け、薬剤師の必要性について多くの気付きを得ることができました。
また、質疑応答では参加学生が積極的に質問し、「日本や米国の今後の薬剤師の在り方について」「日本と米国の薬剤師制度の違い」などについて貴重な話を伺えました。とお言葉をいただきました。
※1 アウトカムベース : 患者さんの健康が実際にどれだけ改善したかの成果を重視すること。「ある患者さんの血圧を、どれだけ下げることができたか」等。
※2 アドバンスト・プライマリケア : 医療の提供とケアの連携を強化して、患者を包括的にサポートする医療モデル。