取組概要
7月15日、法学部の平山真理教授の担当する専門ゼミナール(刑事訴訟法)に、村木一郎弁護士(埼玉弁護士会)をゲストとして招き、公開ゼミが行われました。村木弁護士は、弁護士経験35年、これまで弁護した刑事裁判は1200件、そしてなんと裁判員裁判の弁護を72件も受任してきました。日本で最も多く裁判員裁判の弁護を行ってきた弁護士のお一人で、まさに刑事弁護のエキスパートです。現在は法テラスさいたまでスタッフ弁護士として勤務し、国選弁護事件を担当しています。
平山ゼミの学生は、村木弁護士に対して、「日本の刑事裁判の最も大きな問題は何か?」、「なぜ弁護士は事件を起こした人に寄り添おうとするのか?」等、様々な質問をインタビュー形式で質問し、村木弁護士から丁寧に解説いただきました。
成果
平山 真理教授のコメント:
学生らが村木一郎弁護士に投げかけた質問は非常に素朴なものですが、しかし多くの人が刑事裁判や刑事弁護に対して率直に感じている疑問でもあると思います。こういった疑問を持つことから、法や裁判についての関心が高まっていくのではないかと考えます。この機会を通して、法曹を目指す学生が少しでも増えることも期待したいです。お忙しい中、学生からの質問に一つ一つ丁寧に向き合っていただいた村木先生に心から感謝申し上げます。
参加したゼミ生のコメント:
斉藤 愛さん(法学部3年)
「なぜ世間的に悪い人とされる被告人を弁護するのか」という問いに対しての村木弁護士の答えが特に印象に残りました。“私たちも小さな選択を間違えてしまうだけで、加害者になってしまう可能性がある。そして、極悪非道だと認識される人でも、24時間ずっと極悪非道なことをしているわけではない。これらのことから被告人も普通の人である”と村木弁護士は話してくださいました。村木先生の話を聞き、悪い人と決めつけられてしまいやすい被告人に対して、被告人という立場だけを見て偏見を持つのではなく、一人の人間として思いやることが必要だと思いました。弁護士という仕事は、被告人に寄り添う仕事だと思っていましたが、寄り添うだけでなく、正しい道に導く仕事でもあるということが分かりました。
小川 丸実さん(法学部3年)
弁護士は「裏切られるのが仕事」というお言葉には非常に心を打たれました。被疑者・被告人の立場に寄り添い続ける覚悟から、村木先生の強い信念を感じました。また、弁護士としての在り方について、改めて考えさせられるきっかけになりました。
栗林 由佳さん(法学部3年)
普段の講義では聞けないような実務的な話を聞くことができ、とても新鮮でした。また、どんな質問にも真摯に向き合ってくださったことに感謝申し上げます。機会があれば、村木先生が実際に法廷で弁護をされている姿を見てみたいです。
坂本 小春さん(法学部3年)
どんな被告人に対しても自分だけは味方でいるという揺るがない気持ちに感銘を受けました。今まで持っていた弁護士のイメージとは大きく変わり、とても貴重な時間をいただきました。