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新種発見

東邦大学

寄生虫の新種を発見 木に登るカタツムリから

2020年5月13日

取組概要

 当大学の脇 司講師、旭川医科大学の佐々木 瑞希助教、中尾 稔准教授、目黒寄生虫館の巖城 隆研究室長ならびに豊田ホタルの里ミュージアムの増野 和幸館長らの研究グループは、樹上性のカタツムリに新種の吸虫が寄生しており、それが高い頻度で見つかることを明らかにしました。
 北海道から九州までの28か所でカタツムリの仲間を捕まえて、その中の寄生虫を調べました。その結果、およそ半数の15か所のカタツムリが吸虫の幼虫に寄生されていることが明らかになりました。この幼虫を実験的に育てたところ成虫まで成長し、その形から新種であることが分かりました。この吸虫に寄生されていたカタツムリの多くは、木に登って生活する、いわゆる樹上性の種類でした。これにちなんで、吸虫はキノボリマイマイサンゴムシ(学名:Brachylaima lignieuhadrae)と名付けられました。

成果

 この新種の吸虫は、人里離れた山や密林のカタツムリに寄生していたわけではなく、むしろ人家の近くや公園のような、私たちの生活に身近な場所で見つかっています。未知の生物の存在をこうして明らかにしていくことは、絶妙なバランスで成立している身近な生態系を理解するために必要なことの一つと言えるでしょう。

関連リンク

https://www.toho-u.ac.jp/press/2020_index/20200423-1077.html