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研究

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他大学, 企業

同志社大学

コウモリの生物ソナーシステムの解明とその応用に関する研究

2020年8月6日

取組概要

コウモリが持つ優れたセンシングシステムを解明し、その生態や機構の理解とともに、工学的応用に資する知見を提供する。

生物が進化の過程で獲得した高度な機能やその運用方法には、未来の技術に役立つ知見が秘められているかもしれない。コウモリは生物ソナーと呼ばれ、超音波を用いた優れた反響定位(エコーロケーション)能力を持つことで知られている。そこで本研究では様々な計測手段を駆使し、コウモリのエコーロケーション行動を分析することで、野生下でのダイナミックな採餌飛行や、集団で飛行する際の信号の混信回避に関する実態解明に取り組んでいる。工学的視点から、コウモリの音響行動の理解と、またその行動原理のモデリングなど、生物学と工学とを跨る融合研究を進めている。

成果

たとえば日本でもよく見られるアブラコウモリは、超音波を用いたエコーロケーションによって、数ミリほどの飛翔昆虫を正確に探知し、そして自らも飛行しながら次々と捕食することがマイクロホンアレイを用いた音響計測により明らかとなった。さらに、コウモリは目の前の獲物だけでなく、その次に狙う獲物に対しても超音波の放射を向けていること、またその行動を数理モデリングによって詳しく解析したところ、高い確率で獲物を連続的に捕らえることが可能な飛行ルートを選択していることも明らかとなった。このようにコウモリの行動原理を数理モデルとして表現できたことで、自律移動ロボットなどへの工学的な応用研究も期待できる。またコウモリが集団で飛行する際には、周囲の仲間の超音波によって混信状況が生じるが、どのような工夫で混信を回避しているのか、これまで明らかにされていなかった。そこでコウモリに小型のテレメトリマイクロホンを搭載し、実験室の中で同時に複数のコウモリを飛行させたところ、お互いのコウモリが発する超音波の周波数を調整し合うことで、混信を効率よく回避していることを発見した。

このようにコウモリは放射する超音波の特徴を、周囲の状況や得たい情報の性質に応じて巧みに変化させることがわかってきた。このような生物が持つユニークな設計思想や、彼らの柔軟な超音波運用を理解し、そして工学的に模擬することができれば、センシング技術への新たな知見提供や、また高分解能の近距離センサ等への応用展開も期待される。


※この取組は、提言・事例集『私立大学理工系分野の研究基盤の強化と向上-科学技術イノベーションの推進に向けて-』で紹介した研究事例です。
詳細等は関連リンクをご覧ください。

関連リンク

https://www.shidairen.or.jp/topics_details/id=2822
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