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関東学院大学

かんらん石の炭酸化による大気中二酸化炭素の削減 ―分析によるフィードバック―

2020年9月5日

取組概要

地球中に豊富にある造岩鉱物の「かんらん石(Olivine)」の一種の「苦土かんらん石(Mg2SiO4)」と二酸化炭素から炭酸マグネシウム(MgCO3)を合成し、工業材料として使用することにより、大気中の二酸化炭素を減少することができる。反応としては、オートクレーブを使用して、下記の3段階の反応を想定している。1段目、CO2(気体)+H2O→H2CO3(水溶液)→H+(水溶液)+HCO3-(水溶液)、2段目、Mg2SiO4+2H+(水溶液)→Mg2+(水溶液)+SiO2(個体)+H2O(液体)。3段目、Mg2+(水溶液)+HCO3-(水溶液)→MgCO3(固体)+H+。現在、フリードリッヒ教授のところで炭酸化したかんらん石は、結晶性が低く、XRDでは同定できない。そこで、SEM・EDSによるマッピングを行った。その結果、SiO2は粒子として析出していることが明らかである。前述のように、結晶性が低いため、X線回折では結晶構造は同定できないので、Mg2SiO4と考えられる部分とMgCO3と考えられる部分を制限視野の透過型電子線回折(THEED)で構造を確認した。原料であるMg2SiO4と生成物であるMgCO3とSiO2とが観察された。従って原理的には可能であることが証明された。

成果

現在、深刻な問題である地球温暖化の原因の二酸化炭素をカンラン石と反応させることにより、炭酸マグネシウムが作製できる。すなわち、大気中の二酸化炭素を削減して、さらに、工業材料として有用な炭酸マグネシウムが作製可能であることが分かった。しかし、分析の結果、反応は完全ではなく、原料であるカンラン石が存在していることが明らかとなった。今後の実用化のためには、下記の2点が必要となる。第一に、反応を完全にすることで、言い換えると原料のカンラン一石が残っていないことが必要になる。これができないと、反応後、本能物と未反応物の分離が必要になりコストが増加する。第二に、副生成物二酸化ケイ素の分離である。本研究により二酸化炭素は粒状で存在していることが確認されており、化学反応のみでなく、物理的に分離することも検討する必要がある。

工業的に実用化するためには、3つの課題がある。第一に、原料がほぼすべて反応するように、収率を高くすること。第二に副生成物であるSiO2を除去すること。第三に反応条件を低温化、低圧化、短時間化してコストを下げることである。この3つの課題のすべてにおいて、実用化のためのスケールアップを考慮することが必要条件である。


※この取組は、提言・事例集『私立大学理工系分野の研究基盤の強化と向上-科学技術イノベーションの推進に向けて-』で紹介した研究事例です。
詳細等は関連リンクをご覧ください。

関連リンク

https://www.shidairen.or.jp/topics_details/id=2822
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