取組概要
理工学部北岸宏亮教授研究グループは、呼吸により吸入した一酸化炭素(CO)が、血液中だけでなく体内のどの組織にどの程度の速さで拡散し、蓄積するのかについて、人工ヘモグロビンを用いた動物実験で明らかにしました。
成果
暖房や電化製品の誤使用により年間多数の事故が発生するCO中毒のメカニズムやその後遺症の発症防止に対して、これまで抜本的な治療方法は確立されていませんでした。
しかしながら、今回の研究で東海大学医学部およびフランス国立保健医学研究所(INSERM)と国際共同研究チームを形成し開発した人工ヘモグロビン化合物『hemoCD』を用いることで、外部から吸引したCOガスが体内組織にどの程度浸潤し蓄積するのかについて、正確に計測することに成功しました。加えて、従来の治療法と『hemoCD』の投与を組み合わせることにより、血液および脳内に蓄積されたCOが効果的に低減することも判明し、COガスの急性中毒および後遺症の発症リスクの低減に対して、安全かつ効果的な治療方法になる可能性が示されました。