取組概要
システム理工学部生命科学科・福井浩二教授ら研究チームは、アルツハイマー病の遺伝子改変マウスを用いて、細胞内にあるミトコンドリアの酸化による損傷と認知機能障害の間に決定的な関連性があることを発見しました。
アルツハイマー病の病態生理は広く研究されていますが、ミトコンドリア機能障害との関連性については、まだほとんどわかっていません。今回、アルツハイマー病の遺伝子改変マウスにおいて、アルツハイマー病の進行が脳の酸化による損傷と関連しており、年齢に依存して認知機能が低下することを確認しました。
成果
細胞内にあるミトコンドリアを活性酸素から守ることができれば、ミトコンドリアの機能と認知機能を維持できる可能性があります。今後は、脳の変化を早期に発見するための診断マーカーの開発や、ミトコンドリアという物質において、高い抗酸化作用を示す化合物の研究を進めていく計画です。