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研究

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健康医療

東邦大学

サイバニクス治療で筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の歩行機能が改善

2022年3月25日

取組概要

医学部内科学講座神経内科学分野 森岡 治美助教(任期)、平山 剛久講師、狩野 修教授、同医学部リハビリテーション医学研究室の海老原 覚教授らのグループは、筋萎縮性側索硬化症(以下、ALS)(注1)の治療に、装着型サイボーグの医療用HAL®下肢タイプ(以下、HAL)(注2)が有効であることを報告しました。

(注1)筋萎縮性側索硬化症(ALS)
ALSは、脳・脊髄や末梢の運動神経が障害され、手足や発語、嚥下や呼吸に関する筋力が急激に障害される原因不明の神経変性疾患です。発症の平均年齢は60歳前後で、本邦の患者数は約1万人(世界では推計40万人)で厚労省の指定難病にもなっています。予後は非常に短く、気管切開を伴う人工呼吸器を用いなければ生存期間は3~5年とされています。ALSの治療薬はリルゾールとエダラボンのみで、進行を抑制する可能性は示唆されていますが、進行を止めることはできていません。

(注2)Hybrid Assistive Limb (HAL®)
HALは、人と人工物が融合し、装着するだけで人をサイボーグ化する技術です。脳→脊髄→運動神経→筋肉へと伝達される動作意思を反映した生体電位信号を検出して身体を動作させ、これと同期して人体の感覚神経系の情報が筋紡錘→感覚神経→脊髄→脳へと戻りながら、動作と神経系のループをリアルタイムで相互にフィードバックさせるインタラクティブ・バイオフィードバックのループが構成されることで、人と人工物であるHALが機能的に一体化することを実現します。新たな医療技術、新たな人支援技術として展開される世界初の革新技術です。

成果

ALSは、治療薬などによって進行の抑制はみられても、筋力低下が改善することはない進行性の神経変性疾患です。HALは、2016年にALSを含めた8つの神経・筋疾患の運動機能維持を目的に本邦で保険適用になりましたが、ALSに対する効果は十分に証明されていませんでした。本研究では、ALS患者の歩行機能が、1~2ヶ月のHAL治療により改善することが示されました。

関連リンク

https://www.toho-u.ac.jp/press/2021_index/20220317-1194.html