取組概要
武蔵野大学薬学部(東京都西東京市)田中 健一郎講師は緑茶成分が大気汚染による肺傷害の予防に有効であることを発見し、2022年3月28日、共同先と共に特許を出願しました。
世界の大気汚染による年間死者数が約880万人 (2019年) という状況の中、大気汚染による呼吸器や循環器の健康被害が注目されており、大気汚染が新型コロナウイルス感染症 (COVID-19))などの呼吸器疾患の発症・重症化へ寄与する可能性も指摘されています。また、大気汚染による健康被害を減らすことは、持続可能な開発目標 (SDGs3:すべての人に健康と福祉を) にも掲げられていますが、その予防法は確立されていません。
武蔵野大学薬学部田中 健一郎講師(代表発明者)は共同先と、大気汚染肺傷害に対する緑茶の機能を解明することを目的とした研究を実施しました。
成果
その結果、独自の大気汚染肺傷害の動物モデル、及び細胞実験系を用いた解析から、いくつかの緑茶成分が抗酸化作用を介して大気汚染による肺傷害の予防効果を発揮することを見出しました。本発見により、緑茶成分が大気汚染による健康被害の予防法として有効であることを世界で初めて提唱することができました。今後、更なる研究とデータ収集を行い、緑茶成分を使って大気汚染による健康被害を予防することのできる新たな方法を開発していく予定です。