取組概要
半年をかけてイノベーションを様々な観点から考察する「社会イノベーション特殊演習」。6月からは、社会イノベーション学部卒業生であり、株式会社ウミガメを起業した渡邉大瑛氏を講師に迎え、議論・発表を行いました。前半の授業で、富士通株式会社の協力の下、決められたテーマに沿った課題の設定・情報収集・調査・プレゼンテーションという、課題解決の一連のプロセスを実際に経験した学生たちが、更に一歩進んで、自分たち自身で課題となるテーマを見つけることから取り組みました。
成果
発表は、課題設定の根拠となるデータの提示やターゲットの設定、競合となる会社・サービスの情報や営業戦略、更には収益といった、実際にビジネスを起こすことを想定した構成で進められ、食品ロス問題を毎日の献立を考える苦労と組み合わせて解決するアプリ、若者の農業就業率向上につながるゲーム、中小企業の若年層離職率を下げる大学との連携サービスなど、大学生ならではの視点に立った課題設定が多く見られました。発表後の講師からのアドバイスは、温かくも厳しい、先輩起業家から後輩へのメッセージでもありました。
7月からは、授業の集大成として「海外の大学生に社会イノベーション特殊演習を紹介する」という設定で、英語でのプレゼンテーションに挑戦しました。授業内容の紹介に加え、6月に行った提案をブラッシュアップしたもの、そしてこの授業を通して得た力について、それぞれのグループが5分間の発表を行いました。
この授業で学んだこととして、根拠データの探し方やビジネスにおける考え方といったスキルに加え、多くのグループがコミュニケーションやチームワークの大切さをあげていたことが印象的でした。発表後は英語で質疑応答も行われ、学生同士で「一番面白かった点は?」「難しかったところは?」など意見を交換しあいました。教員からの総評では、「ビジネスの視点だけでなく、歴史などさらに大きな視点からも考えを深めていってほしい」「できるだけレジュメを見ずにジェスチャーも交えてプレゼンすることを目指してほしい」といったコメントがありました。
自ら問題を設定し、解決策を導き出し、成果を伝えるための知識・能力・感性を備える人材を輩出する、という社会イノベーション学部の学びのエッセンスが凝縮された本授業。受講し終えた学生たちの表情は、発表の中で述べられていた「一番有意義な授業だった」との言葉通り、達成感にあふれていました。