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共同研究

慶應義塾大学

消光団分子の「ねじれ」の制御による新たな蛍光プローブの分子設計法の確立-迅速な病態部位の検出など次世代臨床医療への展開へ期待-

2022年10月20日

取組概要

慶應義塾大学薬学部の花岡健二郎教授らの研究グループは、消光団と呼ばれる無蛍光性の色素であるフェニルローダミン類の無蛍光メカニズムを初めて解明しました。生体内での生命現象のリアルタイムかつ高感度な可視化のためには、細胞や身体の組織などを蛍光でマークし、生きたまま観察できる蛍光イメージングは無くてはならない技術となっています。その蛍光イメージングを達成するためには、観察したい生体分子を認識して蛍光がoffからonへと切り替わる蛍光プローブは必要不可欠です。一方、消光団は近傍の蛍光色素の蛍光を消すことができる色素分子であり、酵素活性を検出する蛍光プローブの一部として汎用されてきました。これまでにこの消光団は蛍光プローブの開発に使用されてきた一方で、その無蛍光性のメカニズムについては明らかにされてきませんでした。

成果

そこで今回、誘導体の合成およびそれらの光学特性の精査、計算化学によって、その無蛍光性のメカニズムを初めて解明することに成功しました。それによって、従来のものとは質的に異なる新たな蛍光プローブの分子設計法を提案することに成功しました。この分子設計法により、標的とする蛋白質へと結合するだけで蛍光を発する蛍光プローブの精密分子設計が可能となり、病態で高発現する蛋白質に結合して発蛍光する蛍光プローブを開発することで、病態の蛍光による迅速な可視化が可能になることが期待されます。

本研究成果は、2022年10月3日(米国東部時間)に国際学術誌『Journal of the American Chemical Society』 オンライン版に掲載されました。

関連リンク

https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2022/10/11/28-132609/

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