取組概要
慶應義塾大学法学部日吉物理学教室 小林宏充教授と理工学部外国語・総合教育教室 池田真弓准教授らは、同大学の主に1年生を対象として、科学用語の知識と興味度、物理コンプレックスの有無などを調査し、主に10年前の調査結果と比較しました。この調査は日吉キャンパスで1992年から10年ごとに行われています。
成果
本調査の結果、科学知識を獲得する媒体は、新聞からインターネットへ大転換したことが判明しました。一方、科学コンプレックスを感じる時期は、10年前とほぼ変化がありませんでした。文系では一般選抜において数学を選択した経済学部・商学部の学生は物理にコンプレックスが少なく、理工学部では化学・生命科学系の学門で物理コンプレックスが高い傾向にありました。文系理工、男女問わず物理コンプレックスを感じない割合が増加し、特に理工女性は1.4倍、文系女性は2.0倍と女性の割合が大きく増加しました。RNAや量子計算機の知識度が増加し、特に量子計算機は知識度だけでなく興味度も増加しました。しかしその一方で、ほとんどの科学用語では興味度が減少しました。