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東京都

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研究

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連携なし

慶應義塾大学

平べったくない「ポルフィリン2.0」の創製-平面化合物では到達不可能な超機能性分子への展開に期待-

2023年2月13日

取組概要

慶應義塾大学薬学部の熊谷直哉教授らの研究グループは、天然に広く存在する平面性含窒素大環状分子であるポルフィリンの非平面類縁体 TEtraQuinoline(TEQ)を新たにデザインし、その化学合成法を確立しました。

ポルフィリンは4つの窒素原子を環状構造の内側に揃えており、さまざまな金属イオンを内包することで、典型元素のみでは達成不可能な多彩な化学現象を担う機能性分子としてあらゆる生命体に普遍的に利用されています。その広範な触媒機能、分子運搬能、分子認識能から、ポルフィリン金属錯体は天然由来の超機能性分子ユニットとして注目され、多種多様な人工分子材料に多角的に組み込まれています。有機合成化学を駆使することで、ポルフィリンの骨格構造そのものを改変する機能拡張も縦横に展開されている中、平面性を崩した分子デザインはなされてきませんでした。

成果

このような背景の中、本研究ではポルフィリン様の骨格の戦略的な非平面化と金属イオンの内包性能を両立する新規分子TEQの開発に至りました。TEQは剛直な立体型C2対称分子であり、ポルフィリン金属錯体の化学に立体因子・キラリティーの概念を賦与することで、より多次元化した機能性分子創出のための重要な第一歩と将来展望を提示しました。

本研究成果は、2023年1月23日(米国東部時間)に国際学術誌『Journal of the American Chemical Society』オンライン版に掲載されました。

関連リンク

https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2023/2/2/28-135221/