取組概要
病気を持つ子どもと家族に、馬や自然との触れ合いを楽しんでもらおうと、体育会馬術部が2023年11月23日、「伊勢原こども馬フェス2023」を開催した。秋晴れの伊勢原総合グラウンドの馬場を訪れた約10組の親子連れが、乗馬や餌やりを体験した。
イベントは、本学教職員のほか、医療関係者や団体、ボランティアの協力で初めて開催した。
大きな馬を前に、最初はこわごわと触れるだけだった子どもたちだが、馬術部員のサポートで馬に乗ると満面の笑みを浮かべていた。乗馬は初めてという男児は、「馬の上は揺れて怖かったけど楽しかった」と話した。
昼食のバーベキューを挟み、午後のメーンイベントはホースショー。全国大会で好成績を収める馬術部員がダイナミックな演技を披露した。馬術部には、競走馬として活躍した名馬の産駒が在厩しており、その迫力ある走りや跳躍を間近で見た子どもたちからは大きな歓声があがった。
そのほかにも、馬術部の西山慶太監督によるクイズ大会や蹄鉄を使ったクラフトワークなど、盛りだくさんの内容で、笑顔があふれる一日となった。
成果
西山監督は、「部としても初めての取り組みで、部員たちにとって、重い病気を持つ子どもや地域との交流、引退馬の利活用など、馬術競技以外のことにも目を向けるきっかけになれば」と語った。
4年次の女子部員は、「ホースセラピーに関心があったので良い経験になった。子どもたちと触れ合えたのも楽しかった」と笑顔で振り返った。
実行委員の一人、国立成育医療研究センターの余谷暢之さんは、「病気を抱えて生活する子どもたちに、普段なかなか体験できない馬との触れ合いを、ご家族と一緒に五感で味わい、楽しんでほしい」と企画趣旨を説明。一般社団法人病院マーケティングサミットJAPAN代表理事で医師の竹田陽介さんは、「病気を持つ子どもや家族に豊かな経験を提供するこのイベントは、多様性を受け入れそれぞれが能力を発揮するダイバーシティ・インクルージョンの観点からも意義深い。私たちの医療・福祉・介護の知見と、専修大学の学術・体育のリソースを組み合わせ、今後もさまざまな取り組みができれば」と期待を寄せた。同じく実行委員の齋藤実文学部教授は、「医療関係者、ボランティア、学生など多様な人たちが協力し合い、これまでにない形の地域貢献を実現できた」と手応えを語った。