取組概要
第1回ホスピタルフットボール大会(ホスピタルフットボールクラブ主催)が、天理大学、天理大学アメリカンフットボール部の協力のもと、天理大学体育学部グラウンドにて開催されました。
「ホスピタルフットボール」は、アメリカンフットボールをベースとしたフラッグフットボールの戦術を長期入院中の子どもたちが考え、参加チームがその戦術を試合で実行するチャリティスポーツ。
スポーツをすることが困難な病気療養中の子どもたちと地域社会を繋ごうというこの取り組みは、本学の卒業生と、病気の子どもと家族への支援団体、そして、本学アメリカンフットボール部がその普及に努めています。
本大会は、「ホスピタルフットボールリーグ(HFL)」発足に向けたチャリティマッチとして開催され、試合出場者や保護者など100名以上が来場しました。
本学アメリカンフットボール部は、卒業生と一緒に奈良県内の公立小学校などを中心に、10年以上にわたってフラッグフットボールの普及活動につとめてきました。
アメリカンフットボール部の学生が特に普及活動に注力してきた子どもたちは、大学生らと作戦の確認を行ってから試合に臨み、「楽しかった、作戦が成功した」と、改めてフラッグフットボールの楽しさを実感していました。なお、この大会の様子は、後日、作戦を考えた入院中の子どもたちにも動画や写真などで共有されます。
成果
アメリカンフットボール部部長の伊藤義之教授(総合教育研究センター)が、「スポーツをするだけではなく地域のさまざまな活動への参加が、学生の人間的成長につながる」と語るとおり、ボランティアとして運営に携わったアメリカンフットボール部の学生は、「病室の子どもたちを毎月訪ね、一緒に練った作戦が今日実際にプレーとして形になり非常にうれしい。入院中の子どもたちと喜びを分かち合いたい」と、アメリカンフットボールを通して、本学の教育の柱の一つである「他者への貢献」を体感していました。
今大会は、京都から参加した子どものチームや大阪の大学のチーム、奈良県内の教職員チームなど、様々なチームが参加し、フラッグフットボールの更なる普及・交流の貴重な場となり、今後の展開が期待されるものとなりました。
また、この大会に、私立大学研究ブランディング事業の一環として携わった渡辺一城教授(人間学部人間関係学科)は、社会福祉専攻の学生と共に、「共生型スポーツ拠点形成」についての来場者向けアンケート調査を実施しました。渡辺教授は、「病気や障がいのある人がスポーツにどのように関われるか、その調査をさせていただいる。これからの"福祉"は、芸術やスポーツなど他分野とコラボをしながら活動範囲を広げていくことが重要になる。学生にとっても、多様な視野と発想力を培う場となれば」と話しました。
大会の準備から運営、競技への参加も含めて携わった本学アメリカンフットボール部。また、「共生型スポーツ拠点形成」についての来場者向けアンケート調査を実施した社会福祉専攻の学生と渡辺教授。本学が推し進める、スポーツを「する」「観る」「支える」人の増加に向けた取り組みが、それぞれの立場で進められた大会となりました。