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東京都

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取組内容

研究

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津田塾大学

移動カメラ映像からの背景差分に基づく物体領域抽出

2020年8月20日

取組概要

映像からの動物体領域抽出技術は、監視システムなどへの応用が期待されている。従来研究の多くはカメラが固定されていることを想定している。これに対し本研究では、カメラが移動する場合においても動物体領域の抽出を実現する技術を開発することを目的とする。

提案手法では、前景領域(物体領域)と背景領域を分割する手法の一つであるグラフカットアルゴリズムを利用する。グラフカットによる領域分割の性能を向上させるためには、前景および背景領域の部分領域(シードと呼ぶ)を事前に指定することが重要である。しかしながら、これをユーザが入力映像の毎フレームにおいて指定することは現実的ではない。これに対し提案手法では、入力映像の動きベクトル場における動きの境界情報を利用する。一般に、物体の動きとカメラの動き(背景動き)は異なると仮定できる。これはすなわち、得られる動きの境界に基づき、物体領域と背景領域を大まかに推定することができることを示唆している。これに基づき、前景および背景領域に相当するシードを推定する。推定されたシードを用いて、動きベクトル場およびカラー画像において段階的に領域分割を行うことにより、頑健に物体領域を抽出する。

成果

従来の多くの背景差分手法はカメラが固定されている必要があった。これに対し本研究では、任意のカメラの動き(パン・チルト・ズーム)がある場合においても頑健に物体領域抽出を実現することができる。また、機械学習を必要としない処理であるため、学習データに含まれない任意形状の物体についても領域抽出が可能となる。以上より、画像認識を活用した様々なシステムに容易に応用することができると期待できる。

本研究により開発した移動カメラ映像からの物体領域抽出技術は、従来の監視システムへの応用に加え映像の自動要約(ダイジェスト作成)といった幅広い応用分野への適用が期待される。今後は観測環境の奥行き情報を考慮することにより、物体領域抽出性能の向上を目指す。


※この取組は、提言・事例集『私立大学理工系分野の研究基盤の強化と向上-科学技術イノベーションの推進に向けて-』で紹介した研究事例です。
詳細等は関連リンクをご覧ください。

関連リンク

https://www.shidairen.or.jp/topics_details/id=2822